オーストラリアを代表する造り手、ペンフォールズが、新たなコレクションとして『クアンタム』を発売した。
ペンフォールズからナパとオーストラリアのブレンド『クアンタム』が登場
わずか180本
『クアンタム』という名前は、量子飛翔を意味するQuantum leapから取られており、ペンフォールズのあらたなる跳躍という意味が込められているとともに、ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンに、南オーストラリアのシラーズをブレンドした、というこのワインのユニークな造り方を表現している。
具体的には、オーストラリアからシラーズをワインの状態で輸送後、ナパ・ヴァレーでブレンド、熟成、ボトリングしている。ペンフォールズのワインにとって重要なアメリカンオーク樽は、オーストラリアからナパに運んでいるのだそうだ。
「ペンフォールズの ブレンディング・スタイルを最も力強く表現したもの」とされ、ブランドの中でもアイコニックな『グランジ』に匹敵するほどに高価だ。
日本での販売本数はわずか180本と希少な作品でもある。ヴィンテージは2018年。
ちなみに、この発売に合わせて、WINE WHATは試飲の機会も得た。
『グランジ』を筆頭に、ペンフォールズの高級なカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーズの基本的なスタイルはタンニンや樽使いによるワインの力強さではないだろうか? リリース直後になにもせずボトルから直接味わうと、刺激的とも言えるこの力強さが、時間とともに、まろやかになり、表現をより複雑にする。ことによっては数十年におよぶ、瓶内熟成が期待できる。
『クアンタム』に使われる南オーストラリアのシラーズも、グランジ級の世界最高品質にして、大別すれば、このキャラクター。しかし、その使用率は13%にとどまる。残る87%がナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨン。主旋律はこちらだ。よく熟した豊満にして華やかなナパ・ヴァレーらしいカベルネ・ソーヴィニヨンを、すらっとエレガントに仕上げた印象で、いまのナパ・ヴァレーのスタイルと通ずるものを感じる。アルコール度数は14.7%とグランジを上回るほど、というのが信じられないほどに、優しい。
熟成はアメリカンオーク(80%新樽)のホグスヘッドとフレンチオーク(20%新樽)のバリックで16カ月。
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