シャンパーニュの造り手のなかでも、芸術にも喩えられるアッサンブラージュにより造られる「クリュッグ」は、アッサンブラージュを様々な楽器の音色によってひとつの作品を描き出す音楽にたとえる。日本が誇る作曲家にしてクリュッグラヴァーとしても知られる千住明が、このほど、クリュッグのために2つの作品を公開した。
千住明がクリュッグに捧げた2曲、公開
クリュッグの2008年
まさに千住明の音楽
千住明ファンにとっては、その新曲が聞けてしまうことが、まずは朗報ではないだろうか。公開された楽曲2曲は、いずれも、はじまってすぐに、千住明の世界へと引き込まれてしまうドラマチックなものだ。
この2曲は、2021年11月、クリュッグアンバサダーである寺田航平氏が代表を務める寺田倉庫のイベントスペースにて、ごく限られた(オーケストラのメンバーより観客の方が少ない!)ゲストだけを集めて公開され、以来、これまで、公開されていなかった。
『Immense Generosity』という曲は、『クリュッグ グランド・キュヴェ 164 エディション』に、『Classic Beauty』という曲は『クリュッグ 2008』に、ともに2008年に醸造されたシャンパーニュに捧げられていることから、まとめて『レ・クレアシオン 2008』と名付けられている。
クリュッグは、およそ250種のその年のワインと、150種ほどのリザーヴワインをアッサンブラージュの対象とし、チーム6人が2回づつ試飲して、5000弱にもおよぶコメントを蓄積。これをベースにアッサンブラージュを繰り返す。これは、創業者ヨーゼフ・クリュッグの理念を受け継いでのスタイルだけれど、それゆえに、他のシャンパーニュの造り手からも、アッサンブラージュの妙、と讃えられる存在。
そんなクリュッグが、単一年のブドウのみを使う、ヴィンテージ・シャンパーニュを出す、というのは、その年がよほど特別、ということの証明にもなるのだけれど、やはりというべきか、2008年ヴィンテージが登場した。
アッサンブラージュの内訳は、ピノ・ノワール 53%、ムニエ 25%、シャルドネ 22%。ピノ・ノワールはその多くがモンターニュ・ド・ランスの南部、アイ、マレイユ、ブジー、アンボネのブドウ。その上質なピノ・ノワールに、ムニエがキリっと張り詰めた印象の柑橘の風味を、シャルドネが果実の香りを加える。
千住明氏は、「ピノ・ノワールはストリングセクションで弦楽器 、シャルドネは木管楽器です。 ムニエは素晴らしいアクセントとなり、たとえるならホルン。そのように役割分担をすることで、それぞれの役目、それぞれの混ぜ方を考えています」とコメントしている。
希少なヴィンテージだが、味わえばおそらく「なるほど」と思うはず。クリュッグと千住明、両者のクリエーションがシンクロする。
クリュッグ 『レ・クレアシオン 2008』
URL:www.krug.com/jp/krug-stories/les-creations-de-2008-akira-senju
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