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シリア難民の造るレバノンワイン発売

平和に関連するワインを取り扱う、ユナイテッドピープルワインが、レバノン人とシリア難民のコラボレーションで誕生したワインを7月に発売する。

キプロス島の東、中東の国、レバノンは、歴史的には非常に古くからワインが造られていた地、と目されており、紀元前3000年頃には、フェニキア人と呼ばれていたレバノンの人々が、地中海に面するヨーロッパの諸地方やエジプトに、ワインを運んでいた、ワインの流通の要所でもあった、とされている。

また、1918年から43年までは、フランス領だったことから、ワインは、フランスからの影響を強く受けており、土着品種のほか、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワールといった、フランス出身の品種も育てられている。環境的には、地中海性気候に加えて、標高3000m級の山脈もあり、ブドウの生育期は降水量も少ない、さらに雪解け水などの水源が豊かにある、と、ブドウ栽培に適している。

一方で、よく知られるように、シリアと接し、イスラエルとも近いレバノンは、20世紀終盤から、内戦もふくめ、戦乱の耐えない地でもある。ベカー高原を中心として現在、50弱あるというワイナリーも、そんな情勢のなか、ワインを造り続けているのだ。

『メルセルワイン』は、そんなレバノンのワインの造り手のひとつ。2020年に法人化したばかりの若いワイナリーで、オーナーはレバノン人のエディー・チャミ、パートナーはシリア難民のアブダラ・リヒ。そもそも病害虫の心配が少ない、優れた環境を利して、40代のふたりは、栽培から醸造まで、ナチュラルなワインを造っている。

左 エディー・チャミ 右 アブダラ・リヒ

そして「自分ではどうにもならないことで不利な立場にある難民を支援し、偏見をなくしたい」と話すエディーは、アブダラと一緒に造ったワイン、『ダー・リヒ・ハナン』の販売をしながら、アブダラの夢であるシリアでのワイナリー設立を応援している。

『ダー・リヒ・ハナン』は、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、ベカー高原のマルベックと、北レバノン、ザガルターのサンジョヴェーゼをブレンドした赤ワイン。ユナイテッドピープルは7月、この『ダー・リヒ・ハナン』と、その他、数種類のワインを発売予定だ。

ユナイテッドピープルワイン
URL:upwine.jp

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