今から800年前の鎌倉時代、日本最古の甘柿が現在の川崎市麻生区で偶然発見されたそうです。王禅寺という寺の山中に自生していたことから「禅寺丸柿」と名付けられました。
それまでの日本の柿木は渋柿のみだったようですから、その大発見は大いに人々を喜ばせたに違いありません。いったいどんな味わいだったのでしょうか。後にその地は「柿が生まれた村」ということで柿生村と呼ばれましたが、現在では小田急線沿線の柿生駅という駅名のみ残っているということです。
そう言えば、友人の実家がその辺りだったなあ。王禅寺本堂前の庭にはこの「禅寺丸柿」の原木が保存されていますから(国登録記念物/かながわの名木100選)出かけてみるのもよいかもしれません。
今では柿にもたくさんの品種があるようです。日本生まれの甘柿は「KAKI」と呼ばれ世界でも食されるようになりましたが、やっぱり「柿」は日本のイメージでしょうか。柿といえば正岡子規の名句が浮かびます。
『柿食えは鐘が鳴るなり法隆寺』柿と寺って似合いますよね。一句とはいきませんが一品拵えました。まだ熟していない柿を使った「柿の白和え」。豆腐の滑らかな舌触りとしゃきしゃきした柿の食感がいいですよ。