プルミエ・クリュ、クリマを知ってこそのシャブリ
前置きが長くなったが、今回はそのセミナーの話である。
会場は、赤坂見附の駅を降りてすぐのホテルニューオータニ。シャブリのセミナーに相応しい高級でエレガントな雰囲気を湛えている。始めに、ブルゴーニュ委員会のベルナール・レグラン氏から挨拶があった。早速、先のEUと日本との経済連携協定(EPA)の交渉結果に触れるなど、関税の即時撤廃に対する期待の大きさが伝わってくる。
ベルナール・レグラン氏
続いて、大越先生からまずはシャブリの魅力について、そして、シャブリ地域の中央を流れるセラン川の右岸と左岸の、それぞれのクリマ(簡単に言うと個々の畑のある区画のこと)の気候や土壌の違いなどについて説明があった。シャブリはグラン・クリュがあまりにも有名になってしまっているため、その名前だけが一人歩きして評価されがちである。しかし、クリマによって出来上がるワインには多彩な特徴や違いがあり、だからこそプルミエ・クリュを今一度見直して欲しいのだと。
また、近年、世界的な流れとして、素材を重視した軽やかな料理が作られる傾向にあることから、軽やかでうま味や塩気が特徴の和食には「シャブリが合う!」と声を大にして言いたい! ということなのだ。
会場にいながらにしてシャブリを俯瞰する
会場には、プルミエ・クリュの位置がビジュアルでイメージできるように、個々のクリマの画像が付いたパネルが、真ん中に敷かれたカーペットをセラン川に見立てて、その左右に配置されている。
パネルの位置も実際のクリマの向きに合わせるこだわりようだ。実に面白い趣向である。
それぞれのクリマは、①斜面の向き、②風通し、③畑の斜度といった要素の違いによってブドウの熟度が変化するため、ワインの個性もクリマの特性を大きく反映したものになる。
例えば傾斜のつき方が強いと、粘土質の表土が薄くなることから、シャブリ地域特有のキンメリジャン土壌(今から約1億5千万年前の地層、泥灰土と石灰層が交互に現れる)である石灰岩質の割合が高くなり、ワインはエレガントさを増すのだという(いつか「ブラタモリ」でシャブリの特集やらないだろうか・・・)。
大越基裕氏