ここ数年、“パン飲み”がちょっとしたブーム。“パン飲み”とは、言葉の通り「パンとちょっとしたおかずをつまみに酒を楽しむ」ということ。手軽に用意できる食材とワインで、おいしいペアリング。家でもサクッと“パン飲み”しよう!
協力/小笠原由貴・丹下慶子
Text:Yoshihiko Sano Photos:Yuriko Tsuchida
2021.3.31
ここ数年、“パン飲み”がちょっとしたブーム。“パン飲み”とは、言葉の通り「パンとちょっとしたおかずをつまみに酒を楽しむ」ということ。手軽に用意できる食材とワインで、おいしいペアリング。家でもサクッと“パン飲み”しよう!
協力/小笠原由貴・丹下慶子
Text:Yoshihiko Sano Photos:Yuriko Tsuchida
サンドイッチを食べながら、ワインを飲む。欧米を旅しているとよく見かける光景だ。
パン飲みは、日常のスタイル。日本でも最近はワインビストロやベーカリーカフェで、パン飲みを楽しむ光景が増えているが、これは家でも手軽に楽しめるはず!そこで「料理はあまり得意じゃないんだよな……」という人にも簡単にできて、おもてなしにもぴったりな楽しみ方を連載企画としてご紹介。
毎回、パンの種類ごとに探究していく。 初回のテーマは「食パン」。日本の食卓では最も馴染みのあるパンだが、流行りのやわらかいものから、滋味深くちょっとツウ好みのものまで、実は多種多様だ。そこで代表的な3タイプをセレクトし、それぞれの「香り・食感・味わい」にフォーカスしながら、ちょい足し食材とワインの組み合わせを探究。みなさんも、ぜひお試しを。
銀座の食パン~香~
俺のベーカリー 1,000円(1本/税込)
[香り] ミルクの甘い香りがたっぷり
[食感] ふんわり&もっちりで、口どけゆっくり
[味わい] 甘みが豊かで持続性あり
[ちょい足し] ミックスナッツのハチミツ和え
Bread & Butter Chardonnay 2017
ブレッド&バター・ワインズ 3,500円
[生産国/地域] アメリカ/カリフォルニア
[品種] シャルドネ
[輸入元] Grape Off
食パンブーム王道のふんわりもっちり系から。岩手県「なかほら牧場」の自然放牧牛のミルクを使用。乳由来の甘みがたっぷりで“まさにミルクパン!”という印象。ミルクと好相性のハチミツと香ばしいナッツをサンドし、樽由来のバニラの香りをもつカリフォルニアのシャルドネを合わせると、おいしさがグンと広がり、“大人のおやつ”といった感じに。今回合わせたワイン「ブレッド&バター」は名前からしてもパン飲みにぴったり。
ハードトースト
ドンク 340円(6枚入/税別)
[香り] 嫌なイースト香がなく、粉の香りがストレート
[食感] そのままでもしっとり、焼くとサックリ
[味わい] ほのかな塩味が心地よく、噛み進めると甘みも
[ちょい足し] ハーブ香るタラモサラダ
insolence
エスタンドン 3,000円
[生産国/地域] フランス/プロヴァンス
[品種] グルナッシュ、シラー
[輸入元] ロゼレガンス
砂糖・油脂類を含まないロングセラーの食パン。そのままでもおいしいが、焼くとサクッ!と本領発揮。軽やかでバゲットのような食感なので、お好みの惣菜をちょい足しすればOK。おすすめは、一口大にカットしてトーストし、ピンクペッパーとローズマリーをアクセントに加えたタラモサラダをのせたカナッペ。果実味もあるプロヴァンスの上質なロゼワインがあれば、文句なし。サックリ食感が持続するので、おもてなしにも最適。
セイグル30
365日 330円(1本/税別)
[香り]ライ麦のツンとした香りは控えめで穏やか
[食感] しっかりした発酵によるしっとり感
[味わい] ほんのりした酸味としっかりした旨み
[ちょい足し]コンビーフ&ココアパウダー
Sparkling Shiraz
ブリースデール ヴィンヤード 2,800円
[生産国/地域] オーストラリア/南オーストラリア
[品種] シラーズ
[輸入元] ヴァイアンドカンパニー
「ライ麦パンはちょっと苦手」という方にも食べてもらいたいパンで、滋賀県産のライ麦を30%配合。ライ麦の風味はほどよく感じつつも丸みのある味わいで、まさにワインが飲みたくなるパンだ。しっかりした旨みに合わせて、肉系のちょい足しを。パテ・ド・カンパーニュもいいが、今回は手軽なコンビーフをのせてココアパウダーをプラス。ブラックチェリーのような果実味がある、豪州シラーズの赤いシュワシュワは特におすすめ。