1番 フレンチ 「Le Lion」〜腸詰めに包まれたお好み焼〜
パリの下町と広島の下町が出会った味
おおっ、こう来ましたか。アンドゥイエット(注)にオタフクソースとは、モツ好き心をくすぐってくれるではありませんか。
堂々たる体躯のソーセージは、ソースをたっぷりと受け止め、マスタードの香草パン粉を頂いて、「さあ食べろ」と、誘う。食いしん坊度合いを試されているかのような、お姿でもある。
食べれば、ソースの味や香りが先に来て、後から内臓の香りが控えめに追いかける。それがこのソーセージ好きにはたまらない。
いっぽうモツは苦手な方は、ソースの味に緩和されて、あれ? これなら食べられるとなるはずである。これはお好みソースと豚の内臓、両者に包容力があるからだろう。
ソーセージを崩して、付け合わせのキャベツと食べれば、途端にお好み焼感の哀愁が訪れて、ニヤリとする。クレソンも、その苦味の刺激が、いいアクセントになっている。
さあワインを飲もう。ソーセージと赤ワインを飲めば、モンマルトル辺りの路地に帳が降りる。次にキャベツを合わせて食べ、すかさず飲めば、今度は広島は八丁堀の賑わいが思い浮かぶ。という具合に、表情が変わるのが面白い。
つまりこれは、パリの下町と広島の下町が出会った味なのである。そこにはなにか、庶民のしぶとさと人情が渦巻いていて、いっそう赤ワインをグビグビと飲ませるのであった。
1981年に、フランスNo.1ソムリエに輝いたエルヴェ・ビズールが立ち上げたクロ・デ・フェは、現在南フランスのルーション地方において別格の評価を受けている蔵元。かのヴァランドローのオーナーであるジャン・リュック・テュヌヴァンのコンサルティングを受け、果実味豊かでエレガントな、新たな南仏ワインのスタイルを築き上げた。このソルシエールは可愛らしいモチーフがあしらわれた人気のキュヴェ。グルナッシュとカリニャンは80年の古木からなり、南仏らしいはじけるような果実味を持ちつつ、古木の奥深いエレガントさが楽しめます。以上、フランスワインの専門店ラ・ヴィネ ネットショップのHPより
Le Lion(る・りおん)
東京都渋谷区恵比寿1-21-16 シェソワ恵比寿1F
☎03-3445-8131
営業時間 月曜~金曜/11:30~24:00 土曜・祝日/12:00~23:30
休日 日曜日