Château Latour 〜Pauillac〜
“力強くタニックで荘厳”
即座に分かる鮮烈な個性を放つ
「シャトー・ラトゥール」と言えば“塔”。その歴史は古く、最古の資料は「サン・モベール塔」の建設許可証だ。
かの有名なラトゥールの塔は、教区を守る防衛用の塔として建てられた。しかし、ラベルに描かれた塔と現在の塔は、どこか違っていることに気付く。実は、要塞として建てられた塔はすでに撤去され、現在、目にする丸い塔は17世紀に再建された“鳩小屋”「サン・ランベール塔」である。
ラトゥールの畑は、ポイヤック村の南部、ジロンド川沿いに位置する。サンジュリアンの境界線に向かって傾斜したこの畑は“ランクロ”と呼ばれ、ラトゥールの中でも最も重要な一帯だ。なぜなら、ジロンド川に近いと
いう地形の恩恵による。川の輻射熱はブドウの成熟を促進し、冬季の畑を暖かく保つ為、霜による被害のリスクを減らせ、畑周辺の過度の温度変化を防いでいる。
ワイン造りの歴史は、18世紀にセギュール家が所有者となったことに始まる。当時、カロン・セギュールはラフィットもムートンも所有し、ルイ15世から“ブドウ畑の王子”と呼ばれたほどだった。
そのラトゥールを所有していたニコラ・アレクサンドル・ド・セギュール侯爵が“われラフィットをつくりしが、わが心カロンにあり”と、その思いをハートのラベルに込めた事は有名だ。
1993年に現オーナーであるフランソワ・ピノー氏がラトゥールを買収。98年にフレデリック・アンジェラ氏を社長に任命し、氏の完璧な品質主義により常に最高を追い求めている。