4. Château de Rouillac
シャトー・ド・ルイヤック
馬とワインを愛するオーナーは
樽のロースト加減にもこだわる
「私の人生は三部作」と、オーナーのローラン・シスネロスさん。「25歳までは、サッカー選手。40歳までは、空調設備会社の社長。第三部の今は、シャトーのオーナー」。
ボルドー出身ではあるものの、若いころはワイン産業と無縁のまま過ごしてきた。それが、「運命の人に出会うように、このシャトーと出会ってしまいました」。
荒廃していたものの厩舎も備えたシャトー・ド・ルイヤックに、一家で乗馬をたしなむローランさんがオーナーになる決心を固めたのは、アルゼンチンでワイン造りをしていた先祖を持つ血筋によるのかもしれない。
シャトーの運営はシスネロスさん夫妻のほか、三姉妹の長女であるメラニーさんがブランド・アンバサダーとして広報を担当。
醸造面では、ラトゥールやマルゴーなど名だたるシャトーで腕を奮うエリック・ボワスノさんをコンサルタントに迎える。「ルイヤックの技術担当者がエリックさんの幼馴染」との強力なルートはあったが、ちょうどエリックさん好みのテロワールで、理想的なワイン造りを快く引き受けてくれたのだそう。
計4社から購入する樽は、すべてローストが “ルイヤック流”なのも見逃せない。通常45分程度かけて内部を焦がすのが、1時間半かけてやわらかく焦がしていく特別仕様だ。おかげで、抽出し過ぎないワインは最終的に洗練されたシルキーな味わいとなる。馬小屋の横で造られる自然派ワイン……だが、ワインからはけっして馬小屋臭はしないのでご安心を!