ラングドックらしい品種 ラングドックらしからぬワイン
新しいAOCが次々にうまれ、フランスのなかでも、ダイナミズムに溢れるラングドック。
そのラングドックで、2014年にAOCとして認められたばかりのテラス・デュ・ラルザックにあるのが、「ドメーヌ・デュ・パ・ド・レスカレット」。
ジュリアン・ゾルノットとデルフィーヌ・ルソーのカップルが2003年に設立した。ジュリアンはロワールのアンリ・ペレで長年奉公ののちに独立。南仏ラングドックを新天地として選んだ。
「パ・ド・レスカレット」というのは、エロー県の北部、地中海とラルザック盆地を結ぶ、巡礼路の途中にある切り立った山道のことを指す。ドメーヌはその近く、標高350メートルの高台に位置し、総面積20ヘクタールのブドウ畑は40を超えるテラスに分散している。
マサル・セレクションで新しく植えた区画を除き、栽培されているのは樹齢50年以上の古木。
ブドウ畑はこの地方で「クラパス」と呼ばれる石を積み上げた壁で囲われ、ラルザック盆地の水源のおかげで干魃からも守られている。
栽培品種は赤がグルナッシュ、カリニャン、シラー、サンソー、白がカリニャン・ブラン、テレ・ブレ、グルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・グリ。
土壌は水はけの良い粘土石灰質。昼夜の寒暖差は大きく、ブドウはゆっくりと成熟して芳香成分を形成すると同時に、南仏の太陽を受けても過熟から免れ、フレッシュさと緊張感を伴う果実味を得る。
そして、「ドメーヌ・デュ・パ・ド・レスカレット」でのブドウ栽培は、自然を尊重し、生物多様性を守る、ビオロジックなアプローチをとっているため、ロゼを唯一の例外として、ワインはすべてビオロジックの認証済みだ。このあたりもフランス最大のビオワインの産地、ラングドックらしいところ。
とはいえ、「ドメーヌ・デュ・パ・ド・レスカレット」のワインは、赤も白も、かつてのラングドックワインにあった、過熟感や重たるさはなく、果実味と酸味のバランスがとれ、タイト感さえある。それは、一瞬、ブルゴーニュワインかと錯覚するほど。
フランスでは三つ星のレストランのワインリストにも載る、「ドメーヌ・デュ・パ・ド・レスカレット」のワイン。WINE WHAT online shopでも販売中だ。
その実力のほどを確かめてみてほしい。