干ばつ期から一転…
ここ数年、カリフォルニア州は「500年に一度」といわれる深刻な干ばつに悩まされてきました。2014年には非常事態宣言が発令されていたほどです。なので、カリフォルニアンは普段の会話の中でも、水を大切にする意識が、日本人と比べものにならないほど高いです。
たとえば、クラスの友人が「私の彼氏、髪が短いくせに15分もシャワー浴びるの。信じられないでしょ!? 水がもったいない!!」と憤慨していました。あまり水に困ったことのないわたしとしては、そんなに怒らないであげて…と言いたいところでしたが、水道代、高いみたいです。
しかし、今年の1月から断続的に続いている雨により、状況が大きく変わりました。ナパのある北カリフォルニアのほとんどは、干ばつ状態から抜け出したとのことです。一方でこの雨、「記録上もっとも雨の多い年になる」といわれるほど。各地で土砂崩れや冠水が発生したり、学校が閉校になったりしていて、雨に慣れていないカリフォルニアンにはちょっと大変な日々が続いています。雨に慣れている純日本人のわたしでも、さすがに一週間以上雨が続くと気分が落ち込みますね…。
ブドウへの影響について
「こんなに雨が降って、ナパのブドウの木は大丈夫なのだろうか?」
そう思って、学校の先生やクラスメイトに聞いてみました。すると、
「いまブドウは冬眠中だから、雨がたくさん降っても木自体には影響はあまりないだろう」
との回答が。ただ、2月はちょうど剪定をする時期なのに、雨がなかなかやまないので仕事が後ろ倒しになっているみたいです。
ちなみに、雨の日の剪定は基本的には御法度。雨が降っているときに枝を切ってしまうと、そこから病気に感染する可能性が高いからです。
あるブドウ栽培者は、「2017年のブドウはきっと良い出来だよ」と言っていました。数年続いた干ばつで、ぶどうの木たちはだいぶ疲弊していたようで、久々にたっぷりと水分をとることができて、おいしいブドウを生み出す準備が万端なはず、だそうです。
あとどれくらい雨が降るのかわかりませんが、2017年が素晴らしいヴィンテージとなるならば、このどんよりとした気候とも、もうちょっとだけつきあっていけそうです。
でも、やっぱり、太陽が恋しい…。