4番 イノベーティブ・フュージョン「酒肆ガランス」〜豚足のお好み焼トランパンロホ〜
東京・白金の「酒肆ガランス」のオーナーの星野哲也さん(右)と。
簡単レシピ
1.豚足、豚の耳、マッシュルームを刻み煮込んで、冷やし固める。
2. 1をガレット仕立て(お好み焼の円形)にして焼き上げる。
3.焼き上がると、カリカリベーコンを鰹節に、パセリを青のりにみたててトッピング
4.オタフクお好みソースとマスタードを塗り、完成。
「うまいっ」。一口食べて顔が崩れた!
姿は完璧なお好み焼である。鰹節に見立てたカリカリベーコンも、青海苔に見立てた上げパセリも完璧である。
だが同時に、これを「アルザスロレーヌ地方の郷土料理です」といって出されても、信じてしまう顔をしている。
「うまいっ」。一口食べて思わずつぶやき、顔が崩れた。
粉をつけてカリッと焼かれた表面に歯を立てれば、まず豚足や耳の、優しいコラーゲンの甘みが広がる。ソースがしっかり塗られているのに、ソース感がダイレクトに来ない。
マスタードの酸味と辛味が味を引き締めているせいか、ソースが出しゃばっておらず、穏やかに感じる。いや、食べていてわかった。コラーゲンのうまみは、一見優しいようでいてしたたかなのだ。気がつけば舌や唇は、とろりしたコラーゲンに包まれている。こりゃあお好み焼に、豚足や豚耳を入れても面白いかもしれない。
こいつは赤ワインをうまく飲ませる料理である。グビリと飲めばソースのうまみに支えられた豚足や耳が、タンニンや酸味に溶けようと身悶える。
それが素敵で、ついつい赤ワインが進んでしまう。くどさはないが、実は底に隠れたソースのうまみや酸味、キャラメル香が、コラーゲンの穏やかさと融合して、ワインを呼ぶのである。
自宅のパーティーでもやってみよう。女子にウケちゃうゾ。
合わせたワイン
ドメーヌ・フォレイ・ペール・エ・フィス
ブルゴーニュ・パストゥグラン2015[赤]
Domaine Forey Pere et Fils
Bourgogne Passetougrain 2015
「ブルゴーニュ・パス・トゥ・グラン」はブルゴーニュのAOCで、ピノ・ノワール30%、ガメイ15%、それと許されているもう1種が15%未満でなければならない。ドメーヌ・フォレイ・ペール・エ・フィスはヴォーヌ・ロマネ、ニュイ・サン・ジョルジュ、モレ・サン・ドニに8ヘクタールの畑を所有する生産者。当主のフォレイ氏はあの『ラ・ロマネ』の醸造責任者としても活躍しており、その実力はお墨付き。
酒肆ガランス(しゅし・がらんす)
東京都港区白金5-5-10 2階
☎03-6721-7588
営業時間 16:45~24:00
休日 日曜祝日