もう10年くらい前になるけれど、僕はパリに住んでいた。その頃のとある友人のアパルトマンでの話だ。夕方、仕事から帰宅した友人が、いやぁ、今日も暑かった! と冷蔵庫から白ワインを取り出すと、コップに注いで、一気に飲み干したのだ。
さすがワインの国 フランス。こんな風に飲むのか!
東京は今日も暑い。だから彼に倣って、僕もやってみるか!
2021.9.21
もう10年くらい前になるけれど、僕はパリに住んでいた。その頃のとある友人のアパルトマンでの話だ。夕方、仕事から帰宅した友人が、いやぁ、今日も暑かった! と冷蔵庫から白ワインを取り出すと、コップに注いで、一気に飲み干したのだ。
さすがワインの国 フランス。こんな風に飲むのか!
東京は今日も暑い。だから彼に倣って、僕もやってみるか!
普通のパリジャンってのは、17時とか18時には仕事が終わって、そのあとダッシュでメトロに飛び乗るものだ。1秒でもながく、プライベートライフを楽しみたいのだろう。
日本人の僕は、そんなに早くに切り上げるのに、いささか抵抗があるけれど、今日はアペリティフしちゃおうと、19時に仕事を切り上げて、帰りに夏の果物、桃とメロン、ついでにドライレーズンを買ってみた。飲もうと思っているワインが冷蔵庫にあるのだ。
それがこれ「セグレタ・ビアンコ」。2000円ほどで手に入る、グレカニコというシチリア島のブドウを主体とした白ワイン。パリジャンの話をしておきながらイタリアのワイン。造っているのは、シチリアワインの評価を世界的に高めたプラネタ社だから、ワインの出来には価格以上に期待できる。
もともとグレカニコは桃やメロンという夏っぽい果実に、レモンやライムをおもわせる酸味と苦味がある、というのが特徴だけれど、このワインは、シャルドネ、ヴィオニエ、フィアーノをブレンドすることで、グレカニコの輪郭をさらにハッキリさせている印象。
ペアリングのコツは色々あるけれど、ワインが持っている味の要素を使う、というのは定番中の定番で、今回はそれで行こう、とおもって、桃とメロンを用意したというワケだ。
地中海最大の島 シチリアは、夏になると南風がアフリカ大陸からサラハの熱と砂を運んでくる。東京のように多湿ではないとしても、シチリアの人もきっと、暑い海風を感じながら、そういうアペリティーボをしているにちがいない!
というわけで、レタス、桃、メロンをカットして盛り付けたら基本は完成。
ちょっとしっかりめの甘みと歯ごたえも欲しかったので、ドライレーズンを少々加える。
ドレッシングはヨーグルトで。ヨーグルトに、「セグレタ・ビアンコ」とレモン果汁をほんのちょっとだけ加える。ソースに飲むワインを入れてしまうのもペアリングのコツだ。
最後に、塩とあらびきのブラックペッパーをほんの少し。それからパルメジャーノの粉チーズも。
これで夏のフルーツのみずみずしさと甘みを活かしたサッパリしたサラダが完成。暖かい地域のワインらしい、とろりとした口当たりのよさとまろやかさはサラダとコントラストになって、酸味と苦味はワインが補ってくれる。
もうちょっとしっかりワインを味わうなら、これに、オリーブか生ハムで、イタリア的な塩気のある旨味を追加するのもいい。
やる気があるならドライカレーとかクスクスもいいだろう。とはいえ、それはアペリティーボというにはちょっと贅沢なので、テイクアウトにして、ワインはそのまま、メインディッシュかな。