テイスティング評価方法
- 試飲は、品種・ヴィンティージ・希望小売価格のみ開示して実施。
- 評点は絶対評価とした。
- 評価は、上からS、AAA、AA、A、B、C、D、E、F。特にバリュー感があるものに。魅力的な個性のあるものに。
今回のテイスター
石田 博さん
1969年東京出身。90年ホテルニューオータニ入社。尊敬する先輩に憧れ、ソムリエを志す。94年よりレストラン ラ・トゥール・ダルジャン配属、フランス伝統の料理とサービスを学び、ソムリエとしてのキャリアをスタート。
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柳 忠之さん
1965年生まれ。ワイン専門誌「ヴィノテーク」記者を経て、97年に独立。フリーのワインジャーナリストに。伝説の「BRUTUS」3号連続ワイン特集をはじめ、「AERA」「GQ」「ゲーテ」「Figaro Japon」「東京カレンダー」など、さまざまな情報誌、ライフスタイル誌に寄稿。
今回テイスティングしたワインレビュー
![nakagawa](/wp-content/uploads/2016/02/nakagawa-84x300.jpg)
- 中川ワイン
- リヴァース・マリー
- AAA
- シャルドネ ジョイ・ロード・ヴィンヤード 2013〔白〕
- 生産国/地域:アメリカ/ソノマ・コースト
品種:シャルドネ100%
希望小売価格:9,000円
![salesrep](/wp-content/uploads/2016/02/salesrep-69x300.jpg)
- セールス・レップ・インターナショナル
- デマリエ
- AAA /
- ロエロ リゼルヴァDOCG 2012
- 生産国/地域:イタリア/ピエモンテ
品種:ネッビオーロ100%
希望小売価格:3,800円
スミレを思わせるフローラルなアロマに、プラムのような果実香。樹皮のような印象に土っぽさも感じられ、香りの構成がじつに複雑。味わいは洗練され、伸びやか。ボディは力強く、高密度なタンニンの渋み。アルマニャックのような心地よい余韻。
【柳】
タールのようなフレーバーときめ細かなタンニンによるストラクチャーが、気持ちを激しく昂揚させる居丈高な赤。ズシッとした重厚感だが、アフターはしっとりとして癒される。
![grapeoff](/wp-content/uploads/2016/02/grapeoff-75x300.jpg)
- Grape Off
- シャトー・ド・リュサック
- AAA
- シャトー・ド・リュサック 2003〔赤〕
- 生産国/地域:フランス/ボルドー
品種:メルロー80%、カベルネ・フラン20%
希望小売価格:5,900円
落ち着いた雰囲気の、控えめな印象だが、緻密な構造で、複雑性も感じられる。フレーバーは少し動物的なところもあり、スーボワ(森の下草)を思わせる。タンニンも豊富でみっちりと詰まった様子。骨格がしっかりしており、飲みごたえがある。
【柳】
辛口ポートのように濃密でタンニンもしっかり感じられる。ボリューム感はあるがタイトに締まったボディ。上質なフランネルのスーツをまとったような、背筋の伸びた味わい。飲み頃だが、まだ熟成は可能だろう。
![yalumba](/wp-content/uploads/2016/02/yalumba-86x300.jpg)
- サントリーワイン インターナショナル
- ヤルンバ
- AA
- ヤルンバ エデン ヴァレー ヴィオニエ 2014〔白〕
- 生産国/地域:オーストラリア/南オーストラリア
品種:ヴィオニエ100%
希望小売価格:3,300円
白い薔薇のフローラルなアロマ。コリアンダーやサンダルウッド(白檀)のフレーバーもあり、とてもアロマティック。アーモンドのような香ばしさも感じられる。滑らかな口当たりでクリーミーな喉越し。とても素直で直球的なワイン。
【柳】
香りムンムンでテクスチャーはオイリー。やや過熱気味にも感じられ、濃密なアプリコットの香りが強く印象い残る。派手な身なりで大声でしゃべる上方のおばちゃん風だが、個性のはっきりしたワインが好きな人にはおおいに勧められる。
![fazori](/wp-content/uploads/2016/02/fazori-77x300.jpg)
- モトックス
- ファゾーリ・ジーノ
- AA
- ソアーヴェ ピアーヴェ・ヴェッキア 2012〔白〕
- 生産国/地域:イタリア/ヴェネト
品種:ガルガネーガ100%
希望小売価格:3,250円
凝縮感に富み、フレーバーは複雑。パイナップル、ハチミツ、ヘーゼルナッツ、マッシュルーム、石灰など、さまざまん香りが渾然一体となって広がる。口当たりは滑らかで、バランスは良好。ボディに厚みがあり、ボリュームも大きい。
【柳】
干しブドウのような香りがし、ほんのり甘みすら感じられるが、辛口なのだろう。香ばしいナッツのニュアンスも感じられ、とても多面的なワイン。どのようなオケージョンで飲むべきか難しい反面、それを攻略することにこそ意義がある。
![51_23](/wp-content/uploads/2016/02/51_23.jpg)
- ヴァンパッシオン
- ヴィーニャ・エラスリス
- AA
- アコンカグア・コースタ・シャルドネ 2014〔白〕
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生産国/地域:チリ/アコンカグア・コースタ
品種:シャルドネ100%
希望小売価格:3,800円
リンゴのコンポート、バニラ、トースト香。凝縮感が高く、リッチで豊潤。ふくよかな風味とともにきれいな酸味が感じられた、バランスがとれた味わい。
【柳】
フレーバ的にはピーチやパイナップルなどトロピカルな傾向が見られるものの、口にふくむと過剰な熟度は抑えられ、むしろタイトにまとめられ、よい緊張感すら感じられる。一本調子ではなく、多面的な風味をもつ。
白桃やアカシアの花など、甘味を連想させる豊かなアロマ。成熟度が感じられ、味わいに深みもある一方、緊張感を伴うミネラルの風味も漂う。ボリューム感があり、力強くリッチな構成ながら、酸味もしっかりしており、バランスが良い。スモーキーな余韻が後を引く。
【柳】
ステレオタイプなムルソーのイメージにごく近い、リッチでナッティ、バターテイストの香るシャルドネ。穏やかながらピュアな酸味が十分あり、締まりが感じられる。おおらかにして謙虚な性格。