日本ギタリスト最高峰は贅沢なレコーディングをしていた
小島 犬房先生、新型コロナウイルス感染拡大によって4月8日に緊急事態宣言が出され、本日5月22日現在も東京では多くの業種に要請自粛が続いています。世界中の方が新型コロナウイルスを恐れているのですが、実際にはどうなのでしょうか?
犬房 日本は幸いなことに感染者・重症者は欧米諸国と比較して大変少ない状況です。亡くなられた方も二桁少ないですね。良く比較されるのが2009〜2010年に流行した新型インフルエンザウイルスです。この時日本では1万4千人が亡くなっています。これに対して新型コロナは現時点で700名ですから、私は新型インフルエンザの方が20倍怖い感染症だと思います。
小島 確かに新型コロナの感染者数と重症者、亡くなった方は新型インフルエンザの5%程度ですね。
犬房 こちらに英国とスウェーデンの比較表があります。英国はロックダウンを全国で強行していましたね。その結果失業率は2倍以上に増え、経済への打撃は大変です。一方のスウェーデンでは、ロックダウンどころか学校の休校もなし、自粛や国内移動の制限など何もしていませんでした。ところが、このグラフでは感染者数の推移は全く同じような傾向で4月にはピークアウトしており、なんと死亡者の割合は英国の方がやや多いことを表しています。両国のデータを見る限り、結果的には英国のロックダウンは感染拡大を防ぐには全く意味がなかったことになります。
小島 確かにこのデータからは、ロックダウンや自粛をしても感染拡大を防ぐことは出来ないように見えますね。日本でも自粛の為に経済は未曾有のダメージが起きています。恭司さん、コロナ自粛の間ライブは完全に中止となりましたが、どのようにお過ごしでしたか?
恭司 僕はアルバムの作成をしています。最初は日本の各地の音階などをとり入れてインストアルバムを作っていたのですが、コロナ渦が広がってきてからは僕の心にも明るい、暗いといった変化が現れてきて、いろいろな音の表現が入ったアルバムになりました。さらに、インストではなくてボーカルの入った別のアルバムも作成をはじめて現在2枚のアルバム作成が進行中です。
犬房 ライブがなくなって、恭司さんの音楽が聴けなくなったファンの方々にとっては待望のアルバムですね。 私も聴けるのを楽しみにしています。
恭司 ありがとうございます。毎日自宅スタジオにこもって機材を変えたり、アルバムに合った音質のマイクを探したりと、今まででしたら作れなかった時間をつかった贅沢なレコーディングになりました。
小島 自粛中のワインや運動はどうされていましたか? オンライン飲み会のようなイベントはどうでしょうか?
恭司 僕は基本的にバーチャルな取材や飲み会は苦手なので、今日も犬房先生とは実対談にしていただきました。ワインは基本的に自宅で楽しんで
います。レコーディング中は家から出ないので、歩行数が1日数百という日もありましたね。ラジオ体操はしていますよ。
小島 ラジオ体操はかなりの運動量になりますよね。恭司さんのスリムな体型を維持されるには大変な努力をされているのかと思いましたが意外ですね。
恭司 犬房先生、ライブハウスの自粛が今後も継続するとの見方が出ていますが、いかがですか?
犬房 満員電車の山手線、2月でもクラスター感染は出ていないのですね。当研究部門の岡田助教によれば満員電車という人混み状態でも(1)全員マスクでしゃべらない、(2)数分おきにドアが開いて換気、(3)手洗いうがいも独自で行っている等が理由かもしれないとのことです。ですからライブハウスでも(1)全員マスクをしていただき、(2)唾が飛ぶシャウトをしない、(3)施設で換気を十分にする、(4)参加する人数を半分程度に減らす等の工夫をすればクラスター感染は起こらないのではないかと思います。
恭司 そうですね。できるだけ早く日常を取り戻してライブを再開したいと思っていますので参考になります。
佐藤竹善もやっぱりレコーディングの腕を磨いていた
小島 さて、場所を移動してオンラインで竹善さんにつながりました。はじめまして。
竹善 犬房先生ご無沙汰しています。小島さんよろしくお願いします。
小島 竹善さん、コロナ自粛中はどうされていましたか? オンライン飲み会とかありましたか?
竹善 電話によるラジオ出演などもありましたが、主に自宅で過ごしていました。僕の周りのミュージシャンは誰もオンライ
ン飲み会してないですね。僕は有り余る時間を使ってレコーディング機器やPCの勉強などをしていました。
小島 新譜の予定と自粛中の運動について教えて下さい。
竹善 ちょうど4月22日に昨年末に大阪で収録したRockin’ It Jazz Orchestra のライブCDがリリースされましたので、自粛中の皆様にもライブ音源を楽しんでいただけると思います。運動はウォーキングをしているので、多い日には1万数千歩あるいていますね。人の少ない場所を選んで歩くので、空き巣の下見と間違われないかと思っています(笑)
犬房 適度の運動は酸化ストレスを下げるためにも良いですね。
二大ミュージシャン、オンラインで初の出会い
小島 さて、このあたりで恭司さんにもオンラインに参加していただきます。お二人に伺いたいのですが、新型コロナ感染での重症化リスクとされる喫煙はいかがですか?
恭司 僕は今まで喫煙したことはありません。
竹善 僕は数年前、犬房先生に初めてお目にかかった時には煙突のように(笑)タバコを吸っていました。しかし、今年の1月にコロナとは関係なく禁煙をはじめて今も続いています。
犬房 禁煙成功は素晴らしいですね。私はかねがねヘビースモーカーの竹善さんが、どうしてあんなにきれいな声が出せるのか不思議に思っていました。
竹善 禁煙を始めてから声質がとても良くなったのを実感していますよ。止めて良かったと思います。
犬房 紙巻きタバコは唾液中に、毒物で体をサビさせるアセトアルデヒドが出るので全身に炎症が起きるのですね。それに煙には有害物質が沢山あるので肺にダメージが起きてしまいます。新型コロナ感染でも重症化リスクだと判っていますね。
小島 最後にお二人から読者の皆様へのメッセージをいただけますか?
竹善 オンラインでみなさんにお目にかかれる機会を作っていただき、ありがとうございます。特に恭司さんとは40年間ずっと会いたかった方なので、いつかは生でお目にかかりたいです。読者の方々もお元気で、またライブで会いましょう。
恭司 竹善さんはシングライクトーキングというユニットで活躍されています。僕はギタリストとしてプレイライクトーキングを目指しています。これを機会に竹善さんと何か一緒に出来たらと思います。読者の皆様も今は大変な時期ですが、いろいろな危機に知恵を絞って少しでもプラスの方向に進むようにしましょう。
小島 恭司さんと竹善さんのコラボ、大変楽しみです。お二人の前向きのメッセージ、本当にありがとうございます。恭司さん、竹善さん、犬房先生、本日はありがとうございました。
新型コロナでワイン業界も大きな動きの最中です。高値で推移していたボルドーワインは価格が下がっており、良くないことだけが起こっているわけではないと感じます。犬房先生の提示されたデータを見ると、新型コロナを恐れすぎないようにしたいと思います。皆様もご自愛の上、自宅でワインを飲んで日常が戻る日をお待ちください。(編集長)
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