「おどるポンポコリン」で売れっ子アイドルのような生活に
犬房 4年ほど前でしょうか、私のギターをつくってくださった表 克美(ムーニー)さんのブルースギターを近藤さんも長年愛用しておられると聞いて、以来、CDで近藤さんの曲を聴いていました。つまり、一方的なファンに過ぎなかったのです。ところが、昨年12月にギタリストの山本恭司さんとお目にかかった際、「近藤さんは僕の選ぶ世界3大ボーカリストのひとりなので、ぜひ共演したい!」とおっしゃって、それをお伝えしなくては、と思っていました。
近藤 うれしいですね。私はベーシストの清水興さんから犬房先生が募集されていた「声帯疲労低減プロジェクト」に参加しませんかと誘われて、昨年秋頃から「エイジングケアアプリ Twendee(トゥエンディ) X」を飲みはじめたんです。そしたら、だんだん声や体調が良くなってきました。お酒を飲むときはもちろん、スパリブを愛用しています。
犬房 ありがとうございます。こうして、近藤さんと対談できるのもムーニーさんや清水さん、山本さんのおかげです。
近藤 僕の家には海外のミュージシャンのレコードがたくさんありましてね、小学校の時からよく聞いていました。特にビートルズを聴いてショックを受け、大村憲司さんや塩次伸二さんのようなギタリストになりたいと思ってギターの練習を始めたのですね。「ブレイクダウン」というブルースバンドを10年やった後、36歳の時にドナルド・フェイゲンやゴードン・エドワーズから声がかかり、あとはゴードンと毎年ニューヨークで演奏するようになりました。
犬房 えっ、すごいミュージシャンから招聘されたのですね。
近藤 でも当時、ドナルド・フェイゲンが誰か知りませんでした。それにゴードン・エドワーズからギャラをもらえたのは、なんと4年目からです。それまでの3年間はノーギャラ。生活は大変でしたが、仕事は楽しかったですよ。イギリスでも仕事を始めていたので、ニューヨークとロンドンを往復する生活で年間200日間も自宅を空け、3回も離婚することになってしまいました。現在は仕事を少なくして、家内とはとても楽しく生活しています。
犬房 近藤さんといえば、「おどるポンポコリン」を思い浮かべるひとも多いかもしれません。
近藤 僕の所属するビーイングという会社の創業者はとんでもなく才能のある方でして、西城秀樹さんやB’z、大黒摩季さんをはじめ、プロデュースしたタレントは50名以上います。ちなみにB’z の稲葉浩志さん、大黒摩季さんはもともと僕のバックコーラスだったのですが、おふたりとも大ブレイクして半年ぐらいで立場が逆転してしまいました。「おどるポンポコリン」を演奏するために結成されたB.B.クイーンズもビーイング創業者のアイデアで始まったユニットなんですよ。
犬房 「踊るポンポコリン」は大ヒットでしたね。
近藤 おかげで急に年間200本以上のライブをこなす、売れっ子アイドル歌手のような生活になってしまいました。本業のブルースのライブでも全国のライブハウスで満員御礼が続きまして、今までお世話になってきたライブハウスの方々に恩返しが出来たのですよ。その恩返しが出来たことで、今でもブルース歌手として仕事がいただけるのですから、ありがたいです。
犬房 近藤さん、本当にブルースに浸った人生ですね。
2020年1月4日大阪ザ・シンフォニーホールで日本のブルースを
近藤 WINE-WHAT!?ということでいうと、僕は白ワインも赤ワインも大好きですよ。今はチリワインが好きです。僕は自転車乗りで、イタリアの有名なMASIというメーカーのフレームを使っているのですが、MASIの親戚が作っているワインで干しぶどうから作るアマローネなども好きですよ。
犬房 MASIのワイン、私も好きですが、親戚が自転車のフレームメーカーとは知りませんでした。
近藤 頂き物ですがロマネコンティも飲んだことがありまして、日頃飲んでるワインの千倍くらい美味しかったと思います。
犬房 最近、近藤さんはCDを出しておられませんが、ご予定はありますか?
近藤 所属会社から音楽の配信方法が今後大きく変わる可能性があるので、しばらくCDを出すのは見送りましょうといわれています。ですから活動はもっぱらライブですね。最近の大物ミュージシャンは土日だけライブで、平日はお休みが多いのですが、僕は初心忘れずで、どの曜日でも仕事しますよ。ぜひ平日に呼んでください(笑)。
犬房 CDはいよいよ絶滅危惧種ですね。そうそう、じつは私、来年2020年1月4日に、大阪のザ・シンフォニーホールを借り切って、第1部は酸化ストレスをテーマにした講演とコンサートを、第2部にはオーケストラと山本恭司さん、そしてプロのオペラ歌手との共演を予定しています。近藤さんにもスペシャルゲストとしてお願いしたら快諾いただけたので、とてもうれしいです。ありがとうございます。
近藤 大阪ザ・シンフォニーホールは一度、佐渡裕さん指揮のオーケストラと共演したことがあります。僕が宿題曲を十分練習出来ていなかったので、佐渡さんが「準備してきたけど仕方ない。ブルースをやりましょう」と大英断されました。佐渡さん、さすがです。ザ・シンフォニーホールは残響が素晴らしいので、今から歌うのが楽しみです。
犬房 新しい曲は歌われるのですか?
近藤 日本語の新しい歌があります。「ふるさとは 遠きにありて 思ふもの」で始まる室生犀星の「小景異情」という詩に高雄飛さんが作曲した曲を僕が歌って、石川県の天狗舞という日本酒メーカーのCMで流れています。といっても石川県限定ですが。この曲を来年1月4日のザ・シンフォニーホールでも歌いたいと考えています。