ドイツワインの名門伯爵からの依頼
ーー 茂木社長、スパリブ開発のキッカケは茂木社長の奥さまのひとことだったとうかがいました。
茂木 スパリブの特許と商標を所有するTIMA財団のマーカス・マチューシカ理事長とはキッコーマンの欧州ビジネスで知り合って古くからの友人なのです。2000年頃でしょうか、マチューシカ理事長と食事とワインをご一緒していたときに家内が「ワインの味は大好きなんだけど、アルコールに弱くてすぐに気分が悪くなる。誰か助けてくれないかしら?」といったんですね。その後マチューシカ理事長は自宅に戻って特許のネット検索を行ってアルコール代謝を早めるモノがないか調べたそうです。まともな特許が見つからなかったので、自分のワイン醸造の知識と犬房先生の力を借りてアルコール代謝を促進するモノを開発しようと思い立ったのです。
ーー 茂木社長の奥さまのひとことがなかったら、スパリブはこの世に生まれなかったんですね。マチューシカ理事長はワインの醸造家なんですか?
茂木 彼はドイツのラインワインの名門ワイナリー、シュロス・フォルラーツの当主で、カール大帝時代の先祖から数えて28代目の伯爵です。
ーー ドイツワインの名門の貴族がアルコール代謝サプリの開発ですか? なんだかおもしろい組み合わせですね。犬房先生、開発を依頼されて、どう思われたんですか?
犬房 2003年夏に、マチューシカ理事長から「アルコールの仕事をしたことがあるか」と尋ねられたのですが、ちょうど同じ年の秋に日本癌治療学会でアルコールを大量にマウスに与えると免疫能が下がって癌転移が増えてしまうという研究を発表するところだったんです。
ーー ネット検索しますと、犬房先生が2003年に学会で発表された研究は、共同通信が全国配信したニュースで見ることができますね。
犬房 そのときはアルコールが癌転移を促進するというデータだったので、どうにかこれを押さえることができないかと考えたのです。グラフ1はスパリブをアルコール投与前にマウスに飲ませておく実験で、低下する免疫能を上げて、癌の転移をおさえることができることがわかりました。グラフ2はスパリブがヒトでの血液中アルコール濃度とアセトアルデヒド濃度を低下させるデータで、2011年に発行された『Health Property of Red Wine』という本からの引用です。
ーー 茂木社長、完成したスパリブを奥さまは飲んでおられますか?
茂木 ええ。家内は以前はワイン1杯でふらふらになっていました。今ではスパリブを飲んでおくと2〜3杯楽しめるようになり、すごく喜んでいます。
犬房 日本人だけでなく、いわゆるモンゴル系民族では約半数がアルコール代謝で重要なアルデヒド分解酵素が遺伝的に欠落しています。白人や黒人は遺伝的に欠落がないのでアルコールを飲めますが、アジア人は体によくない効果もあるアルコールを飲みにくくして体を守ろうとしていますので、世界で最も遺伝子的に進化していると考えることもできます。私は進化していないので(笑)、たくさんワインを飲むことができます。アルコール代謝がよくない方が無理をしてお酒を飲みますと、癌やアルツハイマー病になってしまう確率が飛躍的に増えるので注意してください。
スパリブはサビ落としだ
ーー 熱田さんはなぜスパリブを勧めておられるのですか?
熱田 犬房先生は30年ぐらい前から存じあげていますが、今から5〜6年前にマチューシカ理事長と、私どもレストランの「東京グリンツィング」に一緒にお見えになってスパリブのプロトタイプをいただいたんですね。試しに飲んでみたら、次の日がすごく体が軽い上に、朝食がおいしくいただけるのでびっくりしたんです。
ちょうどその頃、経済界の某大物から「熱田君、君は今まで長年ワインを多くの人に飲んでもらうようにサービスしてきただろう。ところが仕事で飲む機会が多くて、酒で健康を害して早死にしたり仕事が出来なくなった優秀な経営者がたくさんいるんだよ。その人たちが社長になって会社を引っ張っていたら、もっともっとすばらしい業績をあげることができたろうにと考えると、本当にもったいない。日本の経済界の大きな損失なんだよ。これから君もお酒を勧めるだけではなくて、お酒を飲む人の健康を考えることが大事だとは思わんかね?」って言われていたんです。
私も本気で熱海の温泉にこもったりして、どうしたらよいのか考えていたんです。スパリブを試して、直感的に「これだ」と思いました。犬房先生から広告の話をいただいた時にも快諾しました。
ーー 熱田さんはあまりほかの広告ではお見かけしません。
熱田 自分自身で、「これは本物だ」と思うものの広告にしか出ませんので、結果的に露出度は低くなりますね。
犬房 そういっていただけると、研究者冥利に尽きますね。熱田さんがすばらしいのはその感性です。『Health Property of Red Wine』という本に世界で初めてスパリブのデータが掲載されると決まったときに熱田さんからコメントをいただいたんです。コメントの最後に「もしも我々を車にたとえるなら、ワインはガソリンで、食事やチーズはオイル。そしてSUPALIV(スパリブ)はサビ落としでしょうか」といわれてるんですね。私が酸化ストレスの研究を開始する1年以上も前のコメントなんです。あまりの先見性に酸化ストレス研究を開始してから、熱田さんのコメントを読み返して本当に背筋がぞくっとしましたよ。
茂木 ところで、土地、気候、人など、すべてのファクターが結果に反映します。ご賞味いただいている「マンズワイン・ソラリス・カベルネソービニヨン」の2009年はいかがですか。弊社で開発したレインカットなどの技術をフル稼動して、「10年に一度のでき」と評価されるワインを残すことができました。
熱田 このソラリスは美しい色ですし、少し熟成感が出たすばらしいバランスのよいワインですね。
犬房 濃い赤ワインですからポリフェノールもたっぷり入っていて健康によさそうです。
熱田 酸化ストレスの話に戻りそうですので、今はすばらしい赤ワインを飲むことに集中しましょう(笑)。
ーー 本日はたいへん楽しいお話をありがとうございました。