よりスムーズにワインを抽出することもできる
あの「コラヴァン」に新しいニードルが開発された。
日本では昨年の4月15日から正規輸入の始まったコラヴァンの秘密は、「薄型医療グレード」の硬くて細いニードルにある。この針がワインのコルクを突き破り、針の先端に設けられた穴から窒素ガス(ワイン製造プロセスでは定期的に使用される不活性ガス)を注入してワインを加圧、押されたワインは行き場がなくなって針の別の穴に逃げ込むという理屈で、コルクを抜くことなく、ワインを取り出す。
グラスにワインを注いだ後、ニードルを抜くと、コルクの穴は自然に元通りになり、ボトルに送り込まれた窒素ガスのおかげでワインが酸素に触れないから何カ月も変質しないという夢のツールなのである。
コラヴァンがあれば、1本飲み切ることを考えず、少量からワインを楽しめる。なので、お店での使用だけではなくて、家庭でも複数のワインの味較べが気軽にできちゃったりするなど、ワインの楽しみ方が大きく変わる、と言われている。
と、ここまでが復習です。今回登場する「プレミアムニードル」はこれまでの標準型ニードルの高級版というべきもので(なんせプレミアムニードルですから)、細かいコルクの破片やオリの混入を極限まで防ぐことができるという。
その仕組みは簡単。プレミアムニードルの先端にはスタンダードニードルのそれよりも、小さな穴がいっぱい開いているからなのだ。おかげで、よりスムーズにワインを抽出することもできるというから一石二鳥である。
価格は13,000円。スタンダードは1本7,000円、3本セットで16,000円で正規輸入代理店から発売されている(いずれも税抜き)。つまり、スタンダードニードルの約2倍というプレミアムぶりなのだ。ま、見るからに精度の高い加工技術が必要だから、これが「プレミアムニードル」と位置付けられているのもうなずけるにしても。
コラヴァンのニードルはすべてテフロンでコーティングされていて簡単に挿入でき、数百回以上ワインを抽出できる耐久性をもっている、とされる。てことは、消耗品なのである。
であるならば、プレミアムニードルは高級ワイン用にしまっておいて、ふだん飲みのワインはスタンダードニードルを使う、というように用途によって使い分けるといいのではないでしょうか。う〜む。ちょっとケチくさかったかしら……。