カリフォルニアのラグジュアリーワインの雄「ヘス」。このワイナリーを継承したサブリナ・ヘスとの夫ティム・ぺルソンが「次世代のラグジュアリーワイン」として生み出した「ヘス ライオン・テイマー カベルネ・ソーヴィニヨン」と「ヘス パンテラ シャルドネ」を、日本を代表する女性ソムリエ 森本美雪さんにテイスティングしてもらい、彼女が勤務するコンラッド東京のなかのモダンフレンチ「コラージュ」の料理を提案してもらった。
HESSの次世代ラグジュアリーワイン 日本のトップソムリエールはこう見る
コンラッド東京「コラージュ」で聞く
ワイン
ヘス ライオン・テイマー カベルネ・ソーヴィニヨン 2017(10,000 円 税別)
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン81%、プティシラー11%、マルベック8%
料理
ピレネー産乳飲み仔羊のコートレット 熊本県産塩トマトと芹
パセリで色を付けたパンをパン粉にしてパセリやタイムを加えて調理。付け合せは、セリ、豆苗、春の葉物のサラダ。仔羊の骨とスジからソースをとり、そこに熊本県産塩トマト、マジョラムを合わせた。
カリフォルニア カベルネの伝統にして先端
高級ワインの産地、ナパ・ヴァレーのなかでも、ときにカルトワインとも呼ばれるワインに使われる最上級のブドウを産出するヴィーダー山。スイス出身のドナルド・ヘスはこの地の自然とワインに魅了され、1978年に土地を入手し、1986年、由緒あるクリスチャン・ブラザーズの醸造所を購入してワイナリーを設立。1989年に「ザ・ヘス・コレクション」を世に問うた。
以来、ライオンのアイコンが描かれたワインは、アメリカで最も有名なラグジュアリー カベルネ・ソーヴィニヨンである「アローミ カベルネ・ソーヴィニヨン」を筆頭に、親しみと畏敬の念をもって世界中のワイン好きを魅了している。
2014年には地震で被害を受けたことを機に、ワイナリーをリニューアル。2017年からはドナルドの娘サブリナとその夫ティム・ぺルソンが2代目としてワイナリーを経営している。その二人が、最新の醸造技術で「次世代のラグジュアリーワイン」として生み出したのが「ヘス ライオン・テイマー カベルネ・ソーヴィニヨン」と「ヘス パンテラ シャルドネ」だ。
レストランでこそ味わってほしい 格のあるワイン
この、「ヘス ライオン・テイマー カベルネ・ソーヴィニヨン」と「ヘス パンテラ シャルドネ」を、カリフォルニアワインのランナップの充実ぶりでは人後に落ちないコンラッド東京の森本美雪ソムリエールにテイスティングしてもらった。
森本さんは
「実際にワインをテイスティングする前はお客様にもカリフォルニアワインが特に人気のある日本料理「風花」の鉄板焼で合わせるのがもっとも良いのではないかと思いました。あるいは中国料理の「チャイナブルー」。しかし、実際にテイスティングをすると、自分の想像にはなかったこのワインのもつエレガンスが、モダンフレンチ「コラージュ」の松永シェフのお料理に合う、と考えるようになりました。」
と評する。
松永晋太郎さん(左)
コンラッド東京「コラージュ」の前身「ゴードン・ラムゼイ at コンラッド東京」のキッチンに所属し、2013 年にオープンしたモダンフレンチ「コ
ラージュ」でスーシェフとして活躍。2017年7月より、同レストランにてシェフ・ド・キュイジーヌを務め、2019年4月に料理長に就任。
森本美雪さん(右)
2014年にコンラッド東京に入社。2017年からオーストラリアのブティック・ホテルにてソムリエ、2018年にはニュージーランド、オークランドの
The Grove レストランにてソムリエとして勤務後、2019年より再びコンラッド東京にてソムリエとして勤務。2020年 第9回全日本最優秀ソムリエコンクールにて準優勝。日本を代表する女性ソムリエ。
特に「パンテラ」には驚かされたという。
「豊満でリッチな印象はもちろんありますが、伸びやかな酸とともに、日本人が好む心地よい苦味が後味に現れ、余韻をひっぱってくれます。アグー豚の旨味、ジューシーさを包み込めるくらいの果実味があり、菜の花とたけのこの苦味にもぴったり。春の山菜も合うと思います。」
ワイン
ヘス パンテラ シャルドネ 2017(10,000 円 税別)
品種:シャルドネ100%
料理
アグー豚の自家製サルシッチャと筍のトルテリーニ ホタテと菜の花
アグー豚を使用したサルシッチャを筍、きくらげと一緒にトルテリーニにした温前菜。ホタテが添えられる。ソースは菜の花をベースにチョリソーとアサリの出汁。
ライオン・テイマーは
「青々しさというよりもアロマティックハーブの印象。セージの香り、マジョラムの香りも感じます。それは仔羊をマリネする際のハーブに、また、付け合せのセリに合い、このワインがもつ酸味は、ソースの塩トマトが引き立ててくれます。」
牛肉とのペアリングは赤身が合うと見る。しかし和牛だとリッチになりすぎるのでは? と懸念。
「質の高いタンニン、中盤から感じられる重厚感ある樽のフレーバーから、咀嚼をすることで旨味が出てくる赤身肉が良いと思います。このワイン
にはデカンタージュは必要です。ブラックフルーツだけでなくブルーフルーツの果実の香りも感じられ、香りの層も豊かですから。これほどのクラスのワインとなると、自宅で、BBQで、というシンプルな料理ではなく、ソースや付け合わせの多彩なガストロノミーな料理とともにお楽しみいただくべきワインだと思いますね。」
デカンタージュのあと、ワインを休ませる時間も考えれば、オーダーは早めに、サーブする際はグラスはある程度高さのあるボルドーグラスで。温度は18℃を超えたくない。
パンテラならばモンラッシェのグラスで、温度は10 ℃から12℃くらいまで。いずれもアルコール感を出し過ぎないように、と具体的なサーブまでイメージ済み。
気軽に楽しめるワインがあるのもHESSの魅力だけれど、本命はやはり、贅沢なワイン。料理とともにプロの技で楽しみたい!
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