カステルブラン。スペイン語で「白いお城」という名を持つカヴァが織りなす物語。
今月は音楽とともに楽しむ時間。案内人は本誌でもおなじみ、ワインに精通するアコーディオニスト・作曲家のcobaさんです。
よろこびのピュアホワイト その6
白いお城という名のカヴァとともに 流れる音楽でおもてなし
カステルブランの故郷を想う
スペイン・カタルーニャはサン・サドゥルニ・ダノイア。白いお城はカヴァ発祥の地であり唯一無二の地に建つ。100年以上にわたり伝統と品質にこだわったからこそ、優しい辛口という素晴らしい価値を生み出し、あらゆる時間、食、シーンと手をとりあうカヴァとなった。カステルブランを味わえば幸せになれる。それが白いお城のあなたへのプレゼント。
今回、白いお城がcobaさんとともに贈るおもてなしは「音楽」。
cobaさんは、スペインで何度もコンサートを開き、その文化、風景、そして食やワインに魅了され、また、普段からカヴァを愛飲されている。カステルブランの印象は?
「リゾート感があって、夢が広がるようなおしゃれっ気もあって。ボトルもきれいだし、女性やカップルにもうってつけ。本当に白いお城にいるようです。」
それではcobaさんには白いお城の宮廷音楽家として素敵な時間を過ごす音楽をセレクトしていただこう。
今回のマリアージュのポイントは「まずワインはテロワール。その地が浮かぶ組み合わせ。スペイン人によるスペインの音楽であったり、僕のようなスペインに憧れている人間が聴く音楽、スペインとかかわった人たちが創る音楽、そういうものに絡めて」そして「世界の人がわかりやすい曲」。
これはcobaさんの「カステルブランは、スペインだけではなく幅広い食や場面に合う」という印象から。ただし、両者ともその奥にある複雑さや哲学は隠せない。それがいい。例えばセレクトされた1曲。スペインの作曲家、ホアキン・ロドリーゴ・ビドレによるアランフェス協奏曲第2楽章。カジュアルな曲との見方もあるが、その裏にはクラシック・ギターを普及させた、芸術家としての強い信念。聴きこめばその奥から情念のような複雑さが沸き上がってくる。
cobaさんが選んだ曲とともにカステルブランの魅力を感じれば、あなたがいるその場所は、白い城の中の小さなコンサートホールになることだろう。
それでは、cobaさんの選曲をご紹介
カステルブランの泡、酸味、塩味(えんみ)、そしてリゾート感の4項目のそれぞれ2曲を提案
カステルブランの泡に合わせる
1.
ファリャ
恋は魔術師 火祭りの踊り
スペインの作曲家による歌曲。「上あごにあたる泡の粒粒と非常に合いますね」。細かく繊細な雨粒が地面をたたき、次第に面になって広がっていく情景か。
2.
フランツ・リスト
スペイン狂詩曲
「ハンガリー狂詩曲」でおなじみのハンガリーが生んだ偉大な作曲家がスペインに思いを寄せて。弾けるように間断なく響くピアノが、カステルブランの最初の一口とドラマティックな出会いを生む。
カステルブランの塩味に合わせる
1.
ホアキン・ロドリーゴ
アランフェス協奏曲 第2楽章
ギター協奏曲の代表。海風を感じる曲が塩味と結びつく。単純に明るいものではなく悲しい歴史と今の底抜けの青空とが織りなすせつなさときらめき、そんな幻想も抱く。
2.
パブロ・カザルス
鳥の歌
カタルーニャ出身、世界平和を訴え続けた音楽家、パブロ・カザルスのメッセージをカステルブランのもつ奥行きに合わせる。
カステルブランの酸味に合わせる
1.
coba
スペイン階段の誘惑
「酸味は僕が思うには音楽の帯域で言うと4khz ~ 8khz。帯域的にアコーディオンと合うんです」。欧州の古都の雑踏、人々の営みから聞こえる音が鮮やかな酸とともに空に高らかに抜けていくような心地よい錯覚……
2.
パコ・デ・ルシア
地中海の舞踏
アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシアのスーパーギタートリオの名演も印象的。緻密だけれど奔放感傷的なようで躍動。超絶な技巧で酸をより鮮やかに感じさてくれる。
カステルブランのリゾート感に合わせる
1.
ジプシーキングス
マイ・ウェイ( スペイン語版)
「はちみつ感、リンゴ感……甘みも包有される」からこそ、力強い歌と演奏の裏に人生の甘さと苦さに艶も感じさせるこの曲。サビの伸びやかな歌声とともに味わえば思わず温かい涙がこぼれるかも。
2.
プリオ・イグレシアス
ビギン・ザ・ビギン
イントロから地中海リゾートに運んでくれるような高揚感。世界的シンガーの、わかりやすくて、ゴージャスで、でもどこか肩の力が抜けたヒットソング。胸元を緩やかにして。
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