今年10月に開業した「ふふ日光」へ
東京から車でおよそ2時間半近くで「日光東照宮」をはじめ、中禅寺湖などでお馴染みの日光に到着する。紅葉シーズンは有名だが、日光はラグジュアリーホテルの食のシーンでもホットなエリアとなっている。
その一翼を担うのが、今年10月に開業した「ふふ日光」。ホテルの場所は「日光田母沢御用邸記念公園」に隣接する自然に囲まれた一画にあり、和風の洗練された外観が存在感を放つ。
エントランスを入ると感じるのは、レトロとモダンが混ざりあった木造の日本建築が凛とした雰囲気と温かみを醸し出していることだ。
メインダイニングは「日本料理 節中」。栃木県の食材をはじめ、世界三大珍味などを取り入れた和洋折衷料理が楽しめる。御用邸が隣ということもあり、晩餐会をイメージしているのも特徴だろう。
また「鉄板焼き候(こう)」も併設しており、どちらも土地を表現した個性的な味わいを提供している。
探し求めていたキュヴェ
ここのハウスシャンパーニュとしてグラスで楽しめるのが『ビルカール・サルモン・ブリュット・ナチュール NV』だ。
「日光田母沢御用邸記念公園に隣接する、いわば開かれた聖地に建つこのホテルは、日本文化の繊細さを伝えたいと思っております。そこで『ビルカール・サルモン・ブリュット・ナチュール NV』のナチュラルさが、コンセプトと一致しました」と支配人の伊藤喜晴さんは明してくれた。
「このキュヴェはドサージュしていない繊細な味。お部屋にある温泉でくつろいだあとには、柔らかい泡のシャンパーニュの方が合うかと思います」と探し続けた味についてソムリエの浜野賢一さんは語る。
『ビルカール・サルモン・ブリュット・ナチュール NV』は『エクストラ・ブリュット』をドサージュ・ゼロとしてピュアな味わいを追求した新しいキュヴェ。2008年、
09年、10年、12年、13年のリザーヴワインと14年のベースワインをブレンドした贅沢な風味に仕上げている。さらに4年の熟成が深みを与えており、まさにメゾンの力量が問われるキュヴェなのだ。
これにお勧めの料理が、古越唯夫料理長によるトリュフ、フォアグラ、キャビアを散りばめた3品構成の前菜。トリュフの下にはオマール海老やラクレットチーズ、フォアグラのテリーヌはフライにしてポルト酒のソースを添え、キャビアにはマコモダケの素揚げを合わるなど、まさに和洋折衷の盛り合わせとなっている。
「ムニエが多めでシャルドネ、ピノ・ノワールをブレンドした柔らかな味わい、白い花のような香りは、キャビアの塩気も包み込みます」と浜野さん。トリュフの香りやフォアグラ
の甘味にも、ブリオッシュの香りや熟成感が引き立て合う。
自然を満喫しつつラグジュアリーに過ごす場に、ブリュット・ナチュールの味わいがよく似合う。