大手メゾンで働くシェフ・ド・カーヴの移籍が相次ぎ、「ドミノ倒し」とか「椅子取りゲーム」と呼ばれる騒動となっている。
現代のシェフ・ド・カーヴは単なる醸造責任者ではなく、メゾンのスポークスマンとして世界各地を回り、プロモーション活動に貢献しなければならない。それを負担に感じる醸造家も多いのではないだろうか。
ことの発端は2018年に、パイパー・エドシックのシェフ・ド・カーヴに就任したばかりのセヴリーヌ・フレルソンが、遠くない将来引退するエルヴェ・デシャンの後任としてペリエ・ジュエに移籍することが発表されたこと。続いてマムのディディエ・マリオッティの離脱も発表された。セヴリーヌの抜けた席を埋めたのは、カティエ&アルマン・ド・ブリニャックからやってきたエミリアン・ブティヤである。
そして2019年はヴーヴ・クリコのドミニク・ドゥマルヴィルが年内をもってメゾンを辞し、これまた引退間近のミシェル・フォコネの後任としてローラン・ペリエに移籍すると発表。そしてドミニクの後任には、マムを辞めたディディエ・マリオッティが就くことになった。ちなみにディディエはドミニクがマムからクリコに移籍した際にも、ドミニクの後任としてマムのシェフ・ド・カーヴになっている。
1年近く空席だったマムのシェフ・ド・カーヴには、アンリオからローラン・フレネが着任。ではアンリオには誰が?
ジャカールのフロリアーヌ・エズナックが6月にひっそりとメゾンを離れているが、その後の動向については知られていない。