【おおつかようすけ】
リオハで彩る和食の秋
カウンター席と4名の和室2室からなる。
玄関の真っ白い暖簾をくぐると、趣きのある和の室内となる。温和な笑顔の店主・大塚洋典さんは29歳で西麻布のこの店を構えて3年。京料理店を中心に腕を磨いてきた。器にも心を配り、好きな作家の皿に四季を盛り付ける。
「知り合いの長崎の漁師さんから旬の魚、天然のクエなどが届きます」と大塚さん。高級魚として知られるクエは冬は脂がのって力強い味わいとなる。
今回はこのクエを唐揚に。合わせるのは「ラ・リオハ・アルタ」の「リオハ・ティント・グラン・レセルバ “グラン・レセルバ904” 2007年」。
クラシックな生産者のテンプラニーリョ主体の味わいは、優しいタンニンと果実味があり、キノコの香りや熟成香がクエの唐揚を包み込む。
もう1品の出汁巻玉子はコースの最初に提供する。
「一番出汁、薄口醤油のみで味をつけた京都風です。ふわふわに仕上げるようにしています」
お勧めは「クネ」の「クネ モノポール・クラシコ 2014年」。ビウラ主体の爽やかなボディにマンサニーリャを加えた辛口で、出汁のふくよかさとネギの青みに寄り添う。
ワインはグラン・ヴァンが中心だが、スポット的に様々な国や品種のワインも提供するよう心掛けている。リオハの果実味や優しいタンニンなど、和食とのマリアージュを研究している。

左から「クネ モノポール・ クラシコ 2014年」12,000円、「ラ・リオハ・アルタ リオハ・ティント・グラン・レセルバ “グラン・レセルバ 904” 2007年」16,000円。
出汁巻玉子
一番出汁を含ませた、甘くない出汁巻玉子。「クネ モノポール・クラシコ 2014年」はビウラ主体のキュヴェにマンサニージャを加えている。かすかに感じる潮の風味、ミネラル感が出汁や緑の野菜とマッ チ。※料理はコースより。
クエの唐揚
天然物のクエを日本酒、醤油、ショウガで味付けをして葛粉をまぶして唐揚にする。「リオハ・ティント・グラン・レセルバ“グラン・レセルバ 904” 2007年」の熟成感、優しいタンニン、枯れ葉の香りなどが脂ののったクエを引き立てる。
店主の大塚洋典さん。一人で料理し、ゲストをもてなしている。
Ootsuka-Yosuke
東京都港区西麻布1-4-26 入月ビル1F
tel.03-3403-4588
営業時間 18:00〜23:00
定休日 土曜日