オーストラリアは、美食先進国
オーストラリアは、土地の肥沃さと移民してきた人々がもたらした各国の食文化のおかげで、いまでは世界で最も先進的とも言える美食大国になった。フレンチ、中華、エスニック、和食などが融合した、新たなスタイルのレストランはいまや世界を席巻している。
一方、オーストラリアワインの高品質さは、世界でもよく知られるところ。伝統的なスタイルにこだわらない自由な発想で造られるワインは、これも先進的と言えるのではないだろうか。
特に西オーストラリアは、小規模ワイナリーの宝庫で、個性的で高品質なワインが揃っています。とくにマーガレット・リバーのカベルネ・ソーヴィニオンは世界的に有名で、高級ワインも多い。
昨年までは、そのマーガレット・リバー地域のみで「マーガレットリバー・グルメ・エスケープ」として開催されていた。
それが、今年、西オーストラリア州最古のワイン産地スワンバレー、活気あふれる州都パース、そしてマーガレットリバーの3カ所巡って楽しめる「西オーストラリア・グルメ・エスケープ」に進化した。
西オーストラリア・グルメ・エスケープは大盛況
このフードとワインの祭典に参加してきた。各地で、オージー産のビーフやラムをワイルドに焼き上げるBBQやワイナリーと有名シェフのコラボディナー、地元産の野菜を使った料理を味わうガーデンレストランなど、さまざまなイベントが行われ、大盛況だった。会場には、ミュージックステージなどもあり、料理やワインを音楽が盛り上げていた。
なかでも、すべての食文化はつながっているという考えの「クロスロード・クッキング」のパイオニアシェフ、イヴァン・ブレムによる舌で学べるプログラムは、今日の食文化につながる歴史や食のつながりを、コースディナーを通して紹介してくれ、とても面白かった。
ワイン業界の大御所たち、クリスティーナ・ピッカード、ジェイムス・ハリデー、ニック・ストック、マイク・ベニーや、世界の料理界をリードする有名シェフ、デイビッド・チャンやマルコ・ピエール・ホワイトなども集結。参加者の学びや出会いの多いフードとワインの祭典だった。
西オーストラリアが注目を集める秘密
さて、この祭典を通して、西オーストラリアがいま注目を集めている理由が改めてわかった気がする。それは、食もワインも個性豊かなこと。西オーストラリアが個性を持っているということではなく、西オーストラリアのそれぞれの生産者やレストラン、シェフの個性が豊かだということだ。
ワインの生産地が多く、しかも小さなワイナリーが多いので、それぞれが独自の特色をもった品質の高いワインを生み出している。
食も同様で、都会のパースを中心に、洗練された料理、伝統的lなカントリー料理、個性的で大衆的な路地裏のレストラン料理、さまざまなスタイルの料理を楽しめる。
マンジマップとペンパートン周辺の静かな森の黒トリュフ、ジェラルトンのロックロブスター、マンジェラのカニ、ロットネスト島のホタテ貝など、山の幸と海の幸の両方が豊富なのも魅力だ。
具体的な、ワインの話、食の話は改めて語るとして、西オーストラリアから、しばらくは目を離さないほうがいい。美味しくて新しい波は、ここからはじまるかもしれないのだから。