登場人物
田原可南子 女優、タレント。大学卒業後から本格的に芸能活動開始。今回、浴衣は着付けの上手な妹・奈美子ちゃんがせっせとお手伝い。可南子ちゃんは歌手のパパ似、奈美子ちゃんはママ似とか。
K マガジンハウスの元・社員カメラマン。定年を迎えてから、ますます仕事量アップ!? 先日はイタリア出張中に乳牛を撮影しまくり、「こうなりゃ牛専門カメラマン(牛カメ)になる!」と覚悟を決めた。
日本料理にとってうつわは××のようなもの
可南子 「和食屋さんってなかなか訪問するチャンスがないので、今日は楽しみにしてました。でもKさん、どうしてこの店を選んだの?」
K 「料理もワインも、うつわもセンスがいいから」
可南子 「うつわ?」
K 「うん。料理がよくても、うつわの揃えがいい加減な店がいっぱいあるのよねー。まあ、まずは乾杯しながらいろいろ話そう」
店の主人である福島良篤さんと女将の美智子さんに、Kはグラス・シャンパーニュを注文。続けて「あとさ、食事の前に悪いんだけど、可南子ちゃんにうつわをいくつか見せてあげて」とお願いするKに応え、主人たちは作家違いのうつわを取り出しカウンターに並べてくれた。 なかには明治時代に作られた骨董や、オーダーして作ってもらった特注品も。
可南子 「和食器はぜんぜん分からないわ……」
主人 「日本料理にとってうつわは服のようなものですよ。同じ人物でも、パジャマ姿とドレス姿では印象が違ってくるでしょう」
可南子 「あ、すごく納得。女優は衣装って大事だもの」
K 「ファッション好きなら、うつわ好きにもなれるんじゃないかな。可南子ちゃんは、どのうつわが一番好き?」
しばらく迷って可南子ちゃんが指をさしたうつわを確認し、主人がビックリ。
主人 「渋いものを選ばれましたね。それは、須田菁華(すだ・せいか)さんの九谷焼。何人もの作家が同じ名前を代々継いでいて、初代の須田さんは、かの北大路魯山人に陶芸を教えた人なんですよ」
K 「可南子ちゃん、見る目あるねぇ」
ワインは自然派を中心に常時70種
可南子 「ほかのうつわもオシャレだと思います。『料理をどこに盛ればいいんだろ』って不安になりそうなデザインの皿もありますけど」
主人 「アハハ、個性的なうつわのほうが、自分としては使いこなす楽しみがあります」
うつわ話で気分がほぐれたところで、料理とグラスワインが順々に登場。
K 「ワインは持ち込み(1本3000円〜)ができるし、そのときはご主人がワインに合わせて料理の味わいを微調整してもくれる。でも、今日は料理に合わせて1杯ずつワインが提供されるペアリング(4860円)にお任せ」
女将 「うちは自然派を中心に常時70種ほど揃えています。自然派って、今まで信じていた品種のイメージを変えてくれて、テロワールを感じる。料理と合わせるとさらに変わって、また面白いんです」
可南子 「うん、ワインと料理のどちらも味が濃いわけではなく、でも風味がクッキリしてる」
主人 「和食店相手だと、薄い味のワインばかり薦めてくる輸入元さんがいらっしゃるんですけど、うちは個性のあるワインを選んでいます。『この人が造ったのか』と造り手の顔が浮かぶような、エレガントな個性」
可南子 「それは、うつわのセレクションにも通じますね」
K 「料理、ワイン、うつわ、ぜーんぶ会話が広がる。可南子ちゃんも、これからはこういう名店をたくさん知っておかなきゃ」
可南子 「Kさんとのお店巡り、楽しくなってきました」
K 「じゃあ、次もまた和食店にしたら、今度は艶やかな着物姿でよろしくぅ♪」
可南子 「……Kさん?」
K 「な、なんでもない、です」
渋いオジサマキャラのメッキがあっさり剥がれたことを反省し、静かにワインをすするKであった。
今回のココ
日本料理 四四A2(よしあつ)
東京都渋谷区恵比寿2-13-10 レンブラント広尾1F
☎ 03-6277-3150
営業時間 昼 11:30~(最終入店13:00)/夜 18:00~(最終入店21:00)
休み 不定休
おまかせコース 昼8,000円~/夜13,000円~
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