谷川雄作・選
ティエリー・マルクス・ジャパンシェフソムリエ
パクチー、クミン、納豆もいける
谷川 オレンジワインを今語る上で、ジョージアは世界的な注目度が高い。一度体験していただきたい。ジョージアのワインはタンニンが強いタイプ。この「ヴァジアニ・カンパニー マカシヴィリ・ワインセラー」は、ブドウ品種はルカツィテリ。ジョージア独特の大型の壺を使ったクヴェヴリで6カ月発酵。印象はクリーンです。SO2も添加しておらず、できるだけ人的介入を抑えた造りをしています。ジョージアの特徴、個性がわかりやすい。鉄観音のようなティーリーフの香り。酸というよりタンニン。おそらく人的介入を抑えても劣化しないというのは、豊かなタンニンがあるから。ワインとしてのクオリティを保ちながらも味覚的な刺激としてタンニンがある。これはペアリングとしても面白い。アジアンな甘みを持ったお料理から東欧系の料理まで合わせやすい。質感、テクスチャーがあるので、普段は合わせづらいスープ料理でもでいただける。お肉ならポークの皮をパリパリに焼いたもの。
梁 ジョージアらしい、どしっとタンニンが効いた感じだ。
佐々木 オレンジとしての性格が強く出ています。タンニンもしっかりあって。ペアリングも合わせづらかったものとの可能性が広がった。私はこのワインだとフォワグラ。辛い物にも結構いけそうです。谷川さんが言ったスープとの組み合わせはよさそうですね。コンソメ系をおススメしたい。
梁 ジョージアだとパクチーとめっちゃあうんですよ。僕は普通に山盛りのパクチーサラダいけちゃうんだけど……。
谷川 僕もいけます(笑)。クミンもいいですね。
高山 クミンでいえばカレー。カレー系は難しいんですが、これは合わせられます。
佐々木 これはいけますね。面白い。納豆もいける。
梁 いずれにしても、日常的にあるB級グルメ的なものに寄り添いやすい側面がある。
谷川 あとジョージアのオレンジワインはドライ。日本人はドライが好きですから合うと思います。
そうか! オレンジは旨みという認識でしたが、確かにドライな方向性。次は佐々木さん。