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カカオハンターズ
ARHUACOS(アルアコ)72%
コロンビアの先住民族アルアコ族が最高峰5,775mのシエラネバダ山中で育てているカカオで作ったダークチョコレート。口に含むとマスカットやレモングラスに似た香りが爽やかに広がる。72%カカオ分ですが、苦みや渋みは少ない。
購入方法 カカオハンターズ cacaohunters.jp
ワインとチョコ、酸がポイント
瀬川 このチョコにはエラスリスのレイト・ハーヴェスト(1)。甘美なニュアンスにソーヴィニヨン・ブランらしい爽やかさが、標高の高い場所で育ったカカオと同調するのではないかと……。
小野 たしかにバランスがいいですね。
瀬川 余韻に清涼感が出てきませんか?
柳 ワインとチョコ、双方の酸がポイントでしょうね。どちらも甘みが際立つわけではなく。
小野 テタンジェ・ノクターン(2)は合いますね。
瀬川 テタンジェのノクターンは酸も高いし、ミネラル感もあるので、冷涼な気候のカカオとマッチするんでしょうね。
柳 う~ん、ブレッド&バター・シャルドネ(3)はきついな。むしろカカオの酸の方が立っちゃって。
小野 苦味も出てきちゃいますね。
瀬川 レイト・ハーベストやテタンジェと比べて、絶対的な酸のレベルが低いので、調和が崩れてしまうんですね。
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AKESSON’S
マダガスカル ベジョーホ プランテーション 43% ホワイト
マダガスカルのベジョーホ農園で収穫したカカオを絞ってつくるノンデオドライズド(未脱臭)カカオバターを使用。一般的なホワイトチョコレートは少し違う風味。カカオの風味が感じられるホワイトチョコレート。ナッティなニュアンスもある。
購入方法 トモエサヴール t-sav.com
ロゼと組み合わせると立体感
小野 これはカカオバターにカカオの風味の残った状態で作ったホワイトチョコです。活性炭を使っていないので、風味が削がれないんですね。これはブレッド&バター・シャルドネ(3)がいけるかもしれない。
瀬川 私もボリューミーな感じやナッティさ、それにミルキーなところが合うと思って、このワインを選びましたが意外とトゥーマッチ。
柳 コスのオレンジワイン(5)と合わせてみたら、ワインの後口に残る渋みをホワイトチョコのまろやかさが包んでくれて、ワインが飲みやすくなる。オレンジの渋みが苦手が人にはよい組み合わせかも。
瀬川 モン・ペラのロゼ(4)も面白いですよ。最初はワインの酸が目立つ感じですが、後半、赤い果実の風味が出てくるとミルキーなニュアンスとマッチして、イチゴミルクのような余韻で楽しませてくれます。
小野 ロゼと組み合わせると、立体感が生まれますね。
3
Raaka
カベルネ・ソーヴィニヨン
「Raaka」はニューヨークブルックリンで生まれたビーントゥバーのチョコレートメーカー。カカオ豆をローストせず栄養価の高いまま残し、煮立てたぶどうCSの上に焙煎していないカカオ豆を広げて蒸し、ワイン風味をプラス。カカオ豆の素材の良さを存分に発揮したダークチョコ。
購入方法 ケイエフエス bberry.kenfs.jp
どんなワインともオールマイティ
小野 このチョコはペルーのカカオに、煮立てたカベルネ・ソーヴィニヨンの蒸気を当てて香りづけしてます。とてもフルーティに仕上がったチョコだと思います。
瀬川 モン・ペラ・ロゼ(4)を合わせるとフルーティさが引き立ちますね。トルブレックのシラーズ(6)もなかなかの相性。チョコレートのビター感と同調してきます。
小野 う~ん、シラーズはとてもよいですね。チョコとワインが同じ方向を向いている。
柳 ロゼもいいですね。カベルネ主体のロゼだからかな? 香りはもちろん、ワインのストラクチャーがチョコに負けてない。
瀬川 このロゼは芯がありますね。
小野 エラスリスのレイト・ハーヴェスト(1)と合わせても違和感ないですよ。
柳 テタンジェ・ノクターン(2)も、熟成による香ばしいフレーバーとマッチする。
小野 チョコ自体の懐が深いんですね。どんなワインともオールマイティ。
4
アンティカ・ドルチェリア・ボナイユート
チョコレート“バニラ”
ベースとなる材料はカカオと砂糖のみ。チョコレートを口溶けよく滑らかにする役割のレシチン(乳化剤)やカカオバターは不使用。カカオの香りを逃さないように45度以下の低温で温めることが美味しさの秘訣。砂糖のシャリ感が特徴的な古代のチョコレート。
購入方法 ポルコバッチョ 兵庫県神戸市東灘区岡本1丁目4-3 坂井ビル4F tel.078-771-6871 www.porcobacio.info
糖分をもつワインと
小野 古代のチョコレートと言われる、ジャリジャリした食感のチョコです。温度を上げずに作られるので、砂糖が溶けずに残るんですね。
瀬川 シャリシャリした歯ざわりが、テタンジェ・ノクターン(2)のシュワシュワした感じと合うかなと思ったんですけど……。
柳 たしかにこの食感、テクスチャーは面白い。味わい的にもどちらかの特徴が際立って違和感が生じることなく、きれいにまとまっていますね。チョコの糖分はやや高めだけど、テタンジェのノクターンはドザージュがセックだから、ちょうどいい感じ。
小野 エラスリスのレイト・ハーベストも甘みがうまい具合に調和していけますね。蜂蜜のような香りが広がって、新たなフレーバーが楽しめます。
瀬川 うん、美味しい。チョコレートの糖度が高い分、ある程度の糖分をもつワインでないと合わせづらいですね。
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ショコラ マダガスカル
ヴィーガン カシュー ミルク チョコレート40%
高品質なマダガスカル産のカシューナッツを一緒に練りこむことによってつくられるヴィーガン対応の「ミルク」チョコレート。濃厚でありながらも、乳製品を使っていないことからもさっぱりとした後味で、カシューナッツの風味も一緒に楽しむことができる。
購入方法 MANGOROBE(マンゴロべ) 埼玉県川越市増形3-2 tel.049-241-6859 www.mangorobe.com
かなりの甘みが必要
小野 これはヴィーガン向けに通常の粉乳ではなく、カシューナッツのクリーミーさでミルクチョコレート風味に仕上げています。
瀬川 濃厚でクリーミーでナッティということから、ブレッド&バター・シャルドネ(3)かな~と。あれ? なんか違いますね。ワインの酸味が浮きます。
柳 単体で飲むとコテコテに感じたシャルドネだけど、このミルキーなチョコとの対比ではそれでも酸が強調されて、バランスが崩れるんですね。
瀬川 でもエラスリスのレイト・ハーヴェスト(1)と酸がそれほど嫌味に感じられません。
小野 しかも後口にナッティさが広がって、楽しい組み合わせになります。
柳 このチョコに合わせるには、かなりの甘みが必要なんですね。
瀬川 ロゼ(4)やシラーズ(6)、オレンジはタンニンが浮いてきます。ミルキーなチョコと渋みのあるワインは難しいですね。