検証1 白イカ
噛めば噛むほどの甘味をワインでどう生かす?
柳 まずテイスター陣に、割り当てたワイン3アイテムと12種類の寿司ネタ、総当たりで試していただきました。ここからはネタごとに「これは!」という提案をお願いし、検証していきたいと思います。白イカで最高評価の◎はありますか?
一同 うーん……。
柳 僕は「アシルティコ(07)」が〇。新しい世界ではないが、すんなり。
柳 うん、格別な相乗感ではないものの、ワインにドサージュ由来の甘味があるからバランスがいい。
太田 うわっ、グラスに鼻を近づけた瞬間から違和感しかない。
柳 まぁ予想通りでしょうけれど(笑)。ダメなパターンを知ることもワインを選ぶ際には有効な手段ですから!
白イカに合うワイン
検証2 甘エビ
一見優しいようで、主張あり。新展開をもたらすアプローチ
柳 続いて、「甘エビ」はいかがでしょうか? 旬は夏ではないが、さっぱりみずみずしくて、通年人気のネタですね。
太田 「ルカツィテリ(08)」はエキゾティック感がいい! 甘エビのねっとり甘いところに、マセラシオンから来るブドウのちょっと野趣のあるえぐみが加わって、アフターがスパイシー。
紫貴 これは予想がつかなかった!
柳 「冬ネタ編」でも、エビってダークホースでしたよね? 淡泊なようで香りの個性が強い。
太田 あの時は火入れした車エビで、果皮を漬け込んで造るオレンジ系の白ワインがマッチしていましたよね。これは「トムヤムクン」の法則と名付けるべきか(笑)。急にエスニック的な世界感が広がる。
松木 ワインの“土”っぽいニュアンスもエビに合っています。
柳 泳いでいるわけじゃなくて、基本的に海の底を歩いている生き物だからね(笑)。
松木 〇に2プラスなんですけど……。「クレマン・ド・リムー(10)」。ネタのみずみずしさとワインのフレッシュ感が合います。
柳 なるほど、これはすんなり楽しめる。本来は四段階判定なんですけど、前回の経験を経たためか、随分細かく評価してきましたね(笑)。
松木 はい、個人的にも試しました。
富田 私もすっかりはまって宅配寿司で試したり、友人にも意見を聞いたりしてきました。
柳 自主練チームに期待して、どんどん進めましょう!