5人のテイスターが厳選した寿司の夏ネタ向きワイン全15本
01
ドメーヌ・ペロ・ロンゴ
セレニテ AOP ヴァン・ド・コルス・サルテーヌ
2015[白]
コルシカ島南部に位置するドメーヌが、ビオディナミで栽培したブドウを使用し、コンクリート製タンクで発酵させて造るワイン。魚介には海に近い山地のワインが合うという「土地の密約説」に基づいてセレクト。アルコールのインパクトに加え、ほのかな塩味が残るがポイントです。
02
ドメーヌ・ド・モンブルジョー
ヴァン・ブラン・レトワール
2014[白]
1920年、ジュラ地方に設立されたドメーヌ。熟成時、ワイン表面にフロール(産膜酵母)ができ、独特の風味が生まれる。魚介の生臭さを出さないために有効なシュールリー(オリとともに熟成)タイプと同様の効果を期待して、青魚系のネタとの相性を探りたいと思ってセレクトしてみました。
03
シャトー・カナデル
バントール ルージュ
2014[赤]
南仏プロヴァンスに2009年に誕生した期待のワイナリー。こちらも「土地の密約説」をベースに、かつて鉄板焼きのタチウオとの相性に驚いた経験から、寿司に合う赤ワイン枠として。この土地特有の、濃密ながら滑らかなテクスチャーにブドウのスパイス感がネタのアクセントになるのでは、と期待する
04
ドメーヌ フランソワ ミクルスキ
クレマン ド ブルゴーニュ
NV[泡・白]
なかにはムルソー格付けも含む、自社畑のブドウを使用した贅沢なクレマン。ミネラルはあるものの強すぎることなく、かつアリゴテ由来の甘酸っぱさが米(シャリ)にも合いそう。自宅で各種寿司ネタといくつかのスパークリングを揃えて実際に合わせた中で、「これがNo. 1!」と思って推薦しました。
05
クロー ド ネル
IGP デュ ヴァル ドゥ ロワール グロロー
2014[赤]
ロゼ・ダンジューで知られるエリアで、樹齢60〜90年という古木のグロローから造られた1本。適度な濃さと旨味にエレガントさ、ほのかなスパイスのニュアンスが、マグロなどの赤身やスモーキーな香り をもつ炙りネタに合いそう。次点では、タレでいただく穴子や煮蛤などもアリではないかと予測。
06
バロン
バロン・ミカエラ・マンサニージャ
NV[酒精強化]
10世代、350年にわたりシェリー造りを行い、現在も家族経営を貫く生産者。現地でも酢漬けのイワシなどにマンサニージャを合わせるのが定番。酢で〆た青魚と相性抜群なので、シメサバやコハダ、シンコ狙いで。ほのかな塩味と磯の香りがあるので、もしかするとウニまでカバーする可能もあるかも。
07
ドメーヌ・ド・シガラス
サントリーニ アシルティコ
2017[白]
今年の6月に訪問したばかりのサントリーニ島北部に醸造所を構えるワイナリー。酸味や塩味がしっかりした、典型的な海要素の1本です。磯のニュアンスがあるので、特に貝類とは好相性間違いなし。さらに、冬に比べて脂が軽やかな夏の寿司ネタとボリューム的に合わせやすい軽快さも備えている。
08
オルゴ ルカツィテリ
オルゴ ルカツィテリ・クヴェヴリ・アンバー・ワイン
2016[白]
樹齢50年以上のブドウを用い、伝統的なクヴェヴリで発酵させ、約6カ月間スキンコンタクトを行いながら熟成させて造る1本。オリとともに熟成させているため、生臭さを出さないことと、適度なタンニン、クヴェヴリ醸造に由来する土やオレンジフラワーのような香りがどういう効果をもたらすか、のチャレンジ!
09
ミゲル・トーレス・チリ
レゼルヴァ・デ・プエブロ
2016[赤]
もとは主に地元で消費されるワインとなる渋みの強い品種をマセラシオンカルボニックによって果実味主体に軽やかに仕上げたワイン。近年ではチリの新スタイルとして、各国のレストランで人気。トロや穴子などコクのあるネタとぜひ合わせたい。また、冷やして美味しい赤は寿司店でも浸透してほしい。
10
ハシェ&バニエ
クレマン・ド・リムー・ブラン ブリュット・レゼルヴ
NV[泡・白]
シャリの影響を考慮すれば、シャープさだけでなく、ほのかな甘みのあるスパークリングが合うと思い、シャンパーニュより南の山地のものを。これはオリとともに24カ月熟成させているのでボリュームも十分。 泡の刺激で洗い流すのではなく、旨味のある味わいで受け止める組み合わせを狙いたい。
11
ドメーヌ フランソワ・ヴィラール
レ・コントウゥール ド ポンサン ヴィオニエ・ヴァン・ド・ペイ・デ・コリンヌ・ローダニエンヌ
2016[白]
近年ローヌで注目されている造り手のワイン。やはり、素材の風味を口中で洗い流してリフレッシュするのはマリアージュではないと思う。これは、アロマティックでオイリーなヴィオニエであるうえ、粘性もあるので、穴子のむっちゃりとした食感やウニのコクに艶やかさを加えてくれると思う。
12
シャルル・ジョゲ
シノン・シレーヌ
2014[赤]
キュヴェにより木製の発酵槽や木樽を使い分ける生産者で、これはステンレスタンクを使用してブドウのアロマをストレートに引き出したアイテム。タンニンのキメが細かく、やや脂ののったネタや赤身などと合わせると、バランスが取れ、風味の相乗が望めそう。
13
ヴィーニンガー
ヴィーニンガー ゲミシュター・サッツ
2014[赤]
オールマイティ枠の条件として、まずは飲み疲れないということも大事。さらに、このワインは混植&混醸で使用している品種が多く、フレーバーの要素が多いために、多面的に料理の風味を受け止めることができる。程よいボディの厚みとスパイスやハーブの香りもあるので、守備範囲が広いはず。
14
ソアリェイロ
ソアリェイロ
2017[白]
近年その親しみやすい味わいで日本でも人気のヴィーニョ・ヴェルデ。そのなかでも果実のフレッシュなアロマを生かし、注目されている生産者。現地では「イワシ祭り」が開催されるほど魚料理が根付いている。郷土料理と土地のワインのセオリーで、青魚とのマリアージュに死角なし、と予想。
15
クラレンス・ディロン
クラレンドル・ロゼ
2017[ロゼ]
「シャトー・オー・ブリオン」などを所有するドメーヌで、ルクセンブルク大公国ロベール殿下が率いるグループ。日本ではまだ定着していないロゼですが、マリアージュの守備範囲は抜群に広く、重宝するはず。食材とワインの色合いを合わせる、というマリアージュ理論から、エビなどと合わせるとよさそう。