格上カジュアルの決定版
今もっともエキサイティングなワイン産地はどこだろう? さまざまな意見はあるだろうが、ニューワールドの雄、南アフリカは間違いなくその候補だ。ブドウ栽培に適した気候条件だけではなく、かの地の生産者たちの進取の精神がここのところの躍進の原動力になっていると思われる。
一般的には新興産地のイメージが強い南アフリカだが、実は約350年ものワイン造りの歴史を持つ。
パイオニアとして、南アフリカワインの地位向上に貢献してきたのが「KWV」である。1918年、ブドウ栽培の発展に主眼を置く産業の規制機関にして、栽培農家による協同組合という国を背負っての役割を担い、設立された生産者だ。ワインの品質向上や輸出先の拡大に積極的に取り組んできたのはもちろん、25年にピノ・ノワールとサンソーの交配に成功して「ピノタージュ」を生み出すなど、ワイン史のうえでもセンセーショナルな偉業を収めている。62年には当時最新鋭だった、低温浸漬設備を備えたセラーを建築。常に最高品質の実現を目指し、先進的な取り組みを積極的に行ってきた生産者である、と世界的に評価されている。
そのワインは現在、イギリスやフランスなど世界約100か国で愛飲されるまでに成長している。プレミアムな1本のすばらしさは言うまでもないが、ありがたいことにパイオニアの誇りと実力はカジュアルラインのアイテムにも惜しみなく注ぎ込まれている。
そこでぜひ、検証してみたいのがWINE-WHAT!? 5月号(No.22)の特集「焼鳥」との相性である。マリアージュ提案を依頼したのは、恵比寿「喜鈴 別邸」。京都の「地鶏 丹波黒どり」をメインとした串ものに、3,200円からのリーズナブルなコース、日本酒やワインを豊富に揃える人気の一軒だ。
まず「クラシック・コレクション シュナン・ブラン白」には、白レバーのパテ。豊かに立ちのぼるパッションフルーツの香りにしっかりした酸とキレの良さが特徴のワインは、レバー特有の甘味をいっそう広げ、後味をすっきりと引き締めてくれる。
続く「クラシック・コレクション ピノタージュ赤」に合わせたのは、串焼きのももとだき身。みずみずしい果実味とやわらかな味わい、伸びやかな酸のバランスに優れた1本が、炭火の香ばしさやタレのふくよかな甘味、ジューシーな脂をやさしく包み込む。
「焼鳥(タレ)=赤ワイン」はもはや定説だが、濃厚&重厚ならOKは大きな誤解だ。
素材の繊細さを生かし、緻密なマッチングを狙うためにはタンニンに丸みがあるタイプを選ぶのが成功のカギであることが、今回の検証で判明した。
焼鳥は、日本を代表する庶民的ごちそうで、気楽にワイワイ楽しむもの。フレンドリーな味わいで手ごろな価格のワインこそ、そのペアリングにはふさわしい。
価格以上のクオリティがあれば、なおさらうれしい!
そんなわがままに応えてくれるのが、歴史と確かな技術、そして先駆的視点など、すべてを内包した格上カジュアルの決定版「KWV」のアイテムなのである。
【KWV問い合わせ先】 国分グループ本社 tel.0120-413592
www.kokubu.co.jp