「和の旬 輝咲」 × クマ トロンテス
東京ミッドタウン日比谷や東急プラザ銀座などの再開発オシャレタウンとガード下的昭和が交差するダイナミックな街、有楽町にあって、日本料理店「和の旬 輝咲(きさく)」には落ち着いた時間が流れている。コースからアラカルトまで、産地直送の地魚を刺身や炭火焼きで供し、カジュアルにもリッチにも楽しめる、頼もしい店だ。
今回、店主の伊藤輝彦さんと奥様の久美子さん(お酒担当)のおふたりに託したのは、「クマ“オーガニック”シリーズ」。
「CUMA(クマ)」とは、アルゼンチンの先住民アイマラの言葉で、「クリーンでピュア」を意味する。太陽とアンデス山脈からの清らかな雪解け水に恵まれた、同国の至宝とされる土地「カジャファテ」を代表する造り手、ミッシェル・トリノが手掛けるカジュアルなワインだ。
白ブドウ品種、トロンテスの印象を久美子さんはこう話す。「完熟した果実のインパクトにフレッシュ感。個性があるので、しっかりした香りの食材がベスト。たけのこと合わせると面白いと思います」
そう言って出してくれたのが、「たけのこの木の芽和えと田楽」。ほのかなえぐみに木の芽と味噌の甘味をプラスした一品だ。意外ながら、ワインのボリューミーな果実味と味噌のコク、和の春の香りが心地よく調和する印象的なマリアージュが完成した。
続いて、マルベックには「黒ぼうの柚香焼き」。魚類扱いのエキスパート、輝彦さん曰く「ジューシーな脂に醤油とゆず、みりんやお酒に漬けて焼いた皮目の香ばしさが、甘い果実と引き締まったきめ細かいタンニンに合うと思います」。
日本料理の丁寧な手仕事によって叶う繊細な旬の香りや魚の脂の旨み。クマは、ひとくち含んだ瞬間、味覚にそれらの風味をより鮮やかに刻み込む。