La Cave de la Petite Maison
(カーヴ・ド・プティットメゾン)のオススメ
今でこそインターネットでワインを買うのは常識だが、1997年、いち早くインターネット上で信頼のおけるチョイスのワイン専門店を手掛けたのがカーヴ・ド・プティット・メゾンの代表、内池直人さん。
実力あるソムリエも脱落するほど難関の試験をフランス語で受けて見事合格、ブルゴーニュワイン委員会(BIVB)公認ブルゴーニュ・インストラクターに。海外ではワインコンクールの審査員として飛び回り、日本ではワインスクールやセミナーで講師を務めてきた。
ブルゴーニュに足を運ぶ機会も多く、最新の情報は現地で随時仕入れておけるのが内池さんの強みだ。ブルゴーニュワインをテーマにしたスクール講義では、スルーされがちなマイナー産地についても、「シャブリだけではない北部ブルゴーニュの個性的アペラシオン」とか「今注目したいシャロネーズ5村の個性と魅力」など、積極的に取り上げている。
では、最近とくに注目すべき産地は?
「グラン・オーセロワやシャロネーズ。ブランドでなく中身を重視される方にお薦めしています」
推薦ワイン1の産地もグラン・オーセロワ地区内のエピヌイユだ。
ここはシャブリと似た地質で、白、赤、ロゼを産出する。その昔はロゼの産地として名を馳せたが、ほどよく冷涼な気候を活かし、今は優良な赤の産地として認められつつある。なかでもドメーヌ・グリュイエは、有機栽培のブドウを全房発酵でワインに仕立てた秀逸なキュヴェ。
「このワイン、今年6月にブルゴーニュ公認インストラクターの二次研修会があり、『最後のパーティー用に各自1本ずつお薦めを持参すること』と言われて私が選んだものです。じつは、研修時のブラインド・テイスティングでもブルゴーニュワイン委員会から同じワインが2回も紹介されていました」
ブルゴーニュ委員会の“中の人”の太鼓判付き! 今一番ホットなワインかも。
2の産地、ヴェズレーは今年6月にアペラシオン・ヴィラージュへと昇格することが決定した注目のアペラシオン。「ブルゴーニュ・ヴェズレー」と名乗っていたのが、2017年からは「ヴェズレー」と村名だけの記載でOKに。知られざる産地には、畑の格付けやアペラシオンが見直され、質の高さが認められれば昇格するという動きが時折見られるのも楽しい。
そのコート・ドールの最南端にあるマランジュは、村名アペラシオンを認められたのが比較的新しい村ゆえ、さほど価格は高騰していない。マランジュ村を代表するワインは、フランス人のパヴロさんと日本人のかおりさん夫婦で有機栽培を実践する4に決まりだ。