節水は喫緊の課題
北はカリストガから南はカーネロスまで、合計140ヘクタールのブドウ畑をナパ・ヴァレーに、さらにシエラ・フットヒルズにもジンファンデルの畑を60ヘクタール所有するロンバウアー・ヴィンヤーズ。
すべての畑でフィッシュ・フレンドリー・ファーミングの認証を取得。ナパにある5つの畑はナパ・グリーンの認証を受けている。
春にたっぷり雨が降った今年は例外中の例外で、ここ数年、カリフォルニアは干ばつ続き。節水は喫緊の課題となっている。
通常、1リットルのワインを造るのに5リットルの水を使うところ、ロンバウアーでは1対2・2まで改善。樽の洗浄に流水ではなく蒸気を用い、灌漑用に無害な排水を利用した成果である。今年は新たな浄水システムを導入し、1対1を目指しているという。
昔からカーネロスのシャルドネで高い評価を受けてきたロンバウアーだが、ここ数年取り組んでいるのはワールドクラスの赤ワイン造り。
ブドウの粒を画像解析し、未熟果や腐敗果を自動的に取り除く光学式選果機を導入し、赤ワインでは珍しい小樽発酵にも挑戦している。
「小樽で赤ワインを発酵させると口当たりがリッチになり、単に小樽熟成させた場合よりオークの風味と果実味が一体化します」と、アシスタントワインメーカーのルーク・クレイトンさん。
2005年にオーストラリアから研修に来てそのまま採用された、有能な醸造家だ。
「カリフォルニアでは水のマネジメントがますます重要になっています。現在、ブドウ畑にセンサーをつけて、ブドウの樹がどれだけ水を必要としてるかデータ化してますが、将来的には畑の区画、ブドウの樹、熟成中の樽のデータが、一元的に管理できるようになるといいですね」
ワインは全体的に果実味豊潤で、柔らかみのあるテクスチャー。カリフォルニアらしい味わいだ。