新進気鋭
もともとはリンゴやナシの栽培農家。冷涼な気候でしられるエルギン ヴァレーで、現在の栽培家であるジェームス・ダウンズが、ブドウ畑をひらいたのは2000年のことだった。ジェームスは、まずはウォーカーベイで高品質なワイン用ブドウの栽培家としてキャリアをスタートしたけれど、みずからのブドウを提供しているワインの造り手をつぶさに観察し、ワイン造りの準備もはじめた。品種、クローン、テロワール、熟成の手法を吸収。さらには、ナパ、チリ、ブルゴーニュに学んで、独自のワイン造りの理論を構築していく。そして2008年、みずからのワインをリリースした。
シャノン・ヴィンヤーズのワイン生産量は全南アフリカのワイン生産量のうち、わずか1%にすぎないため、国外ではあまりしられていない。しかし、南アフリカのソムリエ ミゲール・チャンは、「こんなに心が浮き立ったのは久々のこと」とその門出を絶賛。ワインガイド『ジョン・プラッターズガイド』での高評価をはじめ、高級ワインとしての地位をまたたくまに確立した。
緻密
シャノン・ヴィンヤーズのワイン造りをひとことであらわすならば、緻密。栽培から醸造までが、計算されつくされている。
たとえば、3種類のソーヴィニヨン・ブランのクローンをつかいステンレスタンクで発酵、6カ月熟成する『シャノン サンクチュアリーピーク ソーヴィニヨン・ブラン(2014)』には、100%新樽発酵したあと、滓とともに3カ月半熟成したセミヨンを、8月に11%くわえている。ボトリングは9月から10月。このセミヨンはオーストラリア由来のクローンで、ソーヴィニヨン・ブランにストラクチャーや深みをあたえ、表現をよりゆたかにして、エイジングポテンシャルもたかめるという。
酸味が重要になるため、マロラクティック発酵はおこなわない。
香り、味わいのさわやかさ、口当たり。最終的に生み出したいワインのイメージがあるからこその、緻密なワイン造りの設計がなされている。つまり、別の完成イメージがあれば、また別の造り方をする。
クローン、標高、土壌によって適塾期が異なることを把握し、それらをどうワインにして、どうブレンドすれば何がおこるかを、ジェームス・ダウンズは頭のなかで思い浮かべて、ワイン造りをしているというのだ。
シャノン・ヴィンヤーズのワインは先鋭的で刺激的。こういったワインが日本でも楽しめるのはなんとも恵まれたことだ。
輸入元 株式会社スマイルのシャノン・ヴィンヤーズのページへ
http://www.smilecorp.co.jp/wine/brandStory.php?brandId=100