ボルドーに合うのはやっぱりフレンチ?
「今のボルドーワインって?」「ボルドーワインに合う料理は、やっぱりフレンチ?」、そんな疑問に答えるべく、世界中のワイン愛好家へ情報を提供してきた「ボルドーワインスクール」がパネル・ディスカッションとフード・ペアリング・パーティを、さる2月15日、代官山ヒルサイドテラスで開催した。
フード・ペアリング・パーティで用意されたのは、意外な4店舗の、意外なパーティ料理。
インド料理の「サザンスパイス」とメキシコ料理の「Toro Tokyo」、3軒目のビストロ「Le Comptoir Occitan(ル・コントワール・オクシタン)」は南フランスといえば意外でもなんでもないけれど、「オクシタン」というのはオック語圏ということだから、そう聞くとフランス料理とは一線を画しているし、野菜を使ったローカーボ&ベジスイーツでおなじみのパティスリー「Potager(ポタジェ)」がスイーツを担当したのだから、意外という単語も意外ではないだろう。
かくしてテーブルには、スパイスとハーブを上品にあしらったインド料理とメキシコ料理が並び、「ル・コントワール・オクシタン」はなんと紫蘇や味噌を使ったアジアン・フレンチ、あるいはフレンチ・アジアン・キュイジーヌを供した。
このような、少なくとも非伝統的フレンチに合わせるワインをセレクトしたのは、日本一のソムリエを決める「全日本最優秀ソムリエコンクール」の第8回の優勝者、岩田渉である。
エスニックに合うボルドーを選ぶのはさぞかし難しかろうと思いきや、「ボルドーワインは辛口赤から甘口白までバリエーションの幅が広く、汎用性が高いので合わせやすい」と、京都のワインバーで働く27歳の若者はむしろ余裕シャクシャク、こともなげな感想を述べた。
確かにスパイスやハーブは、ボルドーの赤や白からも香るし、甘さ控えめな野菜のスイーツなら、上品ながら深みがあるボルドーワインとパワーは拮抗、相性が悪いはずもない。
スパイシーな料理、濃い味の料理を前にするとついつい、新世界ワインのパワフルな果実味で押さえつけてムリヤリ解決を図ってきたみなさ〜ん。正解はボルドーですよ!
パオ・バジ × レザマン・ドゥ・モン=ペラ・ロゼ(AOCボルドー・ロゼ)
鉄板で調理する屋台料理、マッシュポテトとトマトのカレー。フランボワーズの香るフレッシュなロゼなら、風味のみならず気軽さでマッチ。
グレープフルーツ・ライタ × シャトー・ラ・ローズ・ベルヴュ・ソーヴィニヨン・ブラン(AOCブライ・コート・ド・ボルドー)
スパイシーで少しホットな、ヨーグルト和えのフルーツサラダ。ソーヴィニヨン・ブランの柑橘香が、グレープフルーツによく馴染む。
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グレープフルーツ餅 × ジャン ド ジェイムス ブリュット(AOCクレマン・ド・ボルドー)
イチゴ大福のグレープフルーツ版。白あんにシェーブルチーズも少量入り、瓶内二次発酵の厚みある泡とはボリューム感のバランス良。
パクチーショコラ × シャトー・ド・リコー ルピアック(AOCルーピアック)
ハーブの香りとサツマイモのしっとり感を持つスポンジに温かいチョコをかけた一品。ケーキの甘さを消さない、さわやかな甘口白を。
トマト飴 × シャトー・マルソー プレリュード(AOCフラン・コート・ド・ボルドー)
ミニトマトのシロップ漬けを水あめでコーティング。ほんのりとした甘味が、赤ワインの果実味となめらかなタンニンにリンクする。