Recette 11 デゴルジュマン
FREDERIC HADENGUE – Collection CIVC
ルミュアージュによって瓶口に集められた澱を除く作業がデゴルジュマン。
まず倒立状態のボトルの瓶口をマイナス27度の冷却液に漬け、瓶口に集められた澱を瞬時に凍らせる。次に王冠を抜くと、瓶内のガス圧で澱のシャーベットが飛び出すという仕組みである。
現在はこの作業も自動化が進んでいるが、小さな造り手や、長期熟成のためコルクでティラージュ(瓶詰め)されたボトルなどは、いまでも手作業によりデゴルジュマンが行われる。
瓶口を凍らせず、倒立状態から垂直に持っていく絶妙のタイミングで栓を抜き、澱を吹き飛ばす(写真)。この方法を「デゴルジュマン・ア・ラ・ヴォレ」と呼ぶ。
Recette 12 ドサージュ
デゴルジュマン後のシャンパーニュは非常に辛口で、飲みづらいことも少なくない。そのため、「ドサージュ」と呼ばれる糖分添加が行われるのが一般的だ。
この際に加えられる液体を「リキュール・デクスペディシオン(門出のリキュール)」という。
リキュール・デクスペディシオンはワインに糖を加えたもので、この時のワインはシェフ・ド・カーヴが入念に調整する。加えられる糖は蔗糖が一般的だが、MCR(濃縮精留果汁)が使われることもある。
最終的な1ℓ当たりの糖分量によって下の表のように分類され、ラベルにその甘辛度が表示される。
Doux (ドゥー) | 50g/ℓ以上 |
---|---|
Demi Sec (ドゥミ・セック) | 32〜50g/ℓ |
Sec(セック) | 17〜32g/ℓ |
Extra Dry (エクストラ・ドライ) | 12〜17g/ℓ |
Brut(ブリュット) | 12g/ℓ以下 |
Extra Brut (エクストラ・ブリュット) | 0〜6g/ℓ |
※ 3g/ℓ以下、またはまったく糖分を加えていないシャンパーニュには、Brut Naure(ブリュット・ナチュール)、Pas Dode`(パ・ドゼ)、Dosage Ze`ro(ドサージュ・ゼロ)などの表示が認められている。
Recette 13 打栓
CLAUDE ET FRANCOISE HUYGHENS DANRIGAL – Collection CIVC
ドサージュを終えたボトルに栓を打ち、飛び出さないよう金属のワイヤーで固定する。
抜栓したシャンパーニュのコルクはキノコ型をしているが、元々はこのような形ではなく円筒型だ。ただ、普通のワインのコルク栓とも違い、コルク片を固めた集積材に輪切りコルクを2枚重ねて貼り合わせている。この輪切りの面がシャンパーニュと接触する。
なお、シャンパーニュのコルクには必ず「CHAMPAGNE」の刻印がなければならない。ヴィンテージの場合は収穫年の表記も義務づけられている。
金属製の円盤とワイヤーのことを「ミュズレ」と呼び、円盤のコレクションをする愛好家も少なくない。
Recette 14 ラベル貼り
打栓後のシャンパーニュはドサージュが馴染むまで、さらに数カ月カーヴで寝かせられる。そして、いよいよ出荷という段階になったら、ボトルのラベルを貼り、キャップシールを被せて準備OKである。
シャンパーニュのラベルには以下のような記載もあるが、項目によってはバックラベルに記載される場合もある。
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①原産地呼称シャンパーニュ | ②糖分の含有量、またはドサージュ表示 |
③ブランド名 | ④ アルコール度数 |
⑤ 容量 | ⑥ 醸造者または醸造会社名、本拠地名とフランスの文字 |
⑦ 生産者カテゴリーの略号とCIVC(シャンパーニュ委員会)が交付する登録番号 | |
⑧ ロットの識別番号 | ⑨ アレルギーの原因となる物質や健康や安全のための記載など |
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