スペインのスパークリングワインのなかで、4つの生産地で瓶内二次発酵によって造られるものが名乗ることができるカバ。そのなかで上位のランクにあたる「カバ・デ・グアルダ・スペリオール」が2025年までに100%オーガニックになることとなった、とカバ原産地呼称統制委員会が発表した。
カバの上位ランクが2025年までに100%オーガニックに
スパークリングワインのなかで、世界で最も厳しい基準となる
市場はオーガニックを求めている
カバは、スペインのコムタッツ・デ・バルセロナ、バリェ・デル・エブロ、ビニェド・デ・アルメンドラレッホ、レバンテ地域の4地域の3万8,000ヘクタール以上の畑のブドウから造られる、瓶内二次発酵のスパークリングワイン。規模的にはシャンパーニュに近く、シャンパーニュ、プロセッコとならんで、世界三大スパークリングワインとされる。ブドウ農家の数は、6,800以上、ワイナリーは370社あるという。
このカバには、4つのランクがあり、9カ月以上瓶内熟成したものが「カバ・デ・グアルダ」、18カ月以上瓶内熟成したものが「カバ・レセルバ」、30カ月以上瓶内熟成したものが「カバ・グラン・レセルバ」、36カ月以上瓶内熟成したものが「カバ・デ・パラヘ・カリフィカード」と称される。最上位の「カバ・デ・パラヘ・カリフィカード」は、ごく僅かな畑のブドウで造られたものしか名乗ることができない、という条件もあるのだけれど、カバ・レセルバ以上のランクに属するものは、まとめて、「カバ・デ・グアルダ・スペリオール」として、区別される。
カバ原産地呼称統制委員会は、このほど、このカバ・デ・グアルダ・スペリオールの生産を2025年までに100%オーガニックとすることを発表した。
近年、ワイン業界は、環境への配慮や、伝統、労働、産業の保護、といったサステナビリティをまったく考慮しないワイン造りは、ほとんどありえないような状況になってきている。とはいえ、オーガニック栽培を原産地呼称制度で義務付ける、というのは、高品質なスパークリングワインの制度のなかで、一歩先んじた、厳格な取り組みとなる。
カバ原産地呼称統制委員会の会長ハビエル・パジェス(Javier Pagés)は、「D.O.CAVAは進化しています。オーガニックのカバの生産量は、現在13,780,711本に達したところです。そのうち34.09%が上位ランクのカバです。私たちは、消費者も市場もオーガニックのものを求めていることを承知しています。今回の規制による配慮が、産地の保護に必ず繋がると考えています。」
とコメントしている。
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