JETCUP(イタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクール)とは、イタリアワイン文化の振興、イタリアワインソムリエの育成などを目的に、10年前の2007年から毎年開催されているソムリエコンクール。イタリアワインのソムリエの登竜門として毎年優秀な人材を輩出してきた。
今年は、全国5会場(東京、大阪、名古屋、福岡、札幌)で123名のソムリエが参加。1次予選、2次予選を勝ち抜いた10名が、この日東京イタリア文化会館に集まり、午前中に準決勝が行われた。
午後の決勝大会に進むことができたのは4名。決勝戦の試験は、ブラインドテイスティングとサービス実技。イタリアワインは、ブドウの品種が多く複雑なので、フランスワインなどと比べても、ブラインドテイスティングは難しいと言われる。サービス実技ではワインの知識や、技術だけでなく、接客の熟練度、気配りなども採点される。
レベルの高い大会を制したのは、横浜の名店「ラ テンダロッサ」でソムリエを務める矢野 航氏。審査委員長の森覚氏(日本ソムリエ協会常務理事 技術研究部部長)は、「紙一重の審査だったが、矢野さんが優勝したのは、今日誰よりもこの場を楽しんでいたからだ。お客様を楽しませたいという気持ちが、接客に現れていた」と語った。
ソムリエは、技術専門職である以前に、接客サービス業であるということ、その基本が改めて見直された大会となったようにも思う。
優勝した矢部氏には、副賞としてイタリア研修旅行などが贈られ、イタリア政府から「日本におけるイタリアワイン大使」の称号と、カップが授与された。