野菜とシャンパーニュの勝負だった
2015年9月に日本に上陸し、全国各地の名店とのコラボレーションで知られるシャンパーニュ コレは、156の村、770haの畑を傘下に治めるシャンパーニュの協同組合、「コジェヴィ」のなかで、グラン・クリュとプルミエ・クリュのブドウを使用するプレミアム シャンパーニュのブランドだ。
そのコレは、フランスでは毎年、料理本を出版したシェフのうち、優秀なシェフを表彰する『コレ賞』を設けている。そして日本では昨年から、日本のおいしい食材をつかったレシピコンテスト、「日本コレ賞 JAPAN COLLET AWARD」を設けて、優勝者を、アイ村のシャンパーニュ コレのゲストハウスに招待している。
その第二回目の授賞式が開催された。今回のテーマは、ブラン・ド・ブランに合う料理。
全国からあつまったレシピから、優秀な3名を選出し、フランス大使公邸で実際にそのレシピの食事を調理。江上料理学院代表、江上栄子さん、フランスレストラン文化振興協会(APGF)代表、大沢晴美さん、コレ輸出責任者、ダヴィッド・リューさん、GOLD CHEF CLUB代表 田中聖信さんが、食べて、最優秀賞1名と優秀賞2名を選ぶ、というのが賞のあらましだ。全国各地の食材の活性化を応援するGolf Chef Clubが中核となっているため、地域色の強い食材をつかい、また、食材を無駄にしないことを意識する、という注意書きがあるところが独特だ。
そして、その審査の結果、今回の最優秀賞を勝ち取ったのは、パークハイアット東京ジランドールの大熊 剛史シェフによる「深浦人参 甘味噌のグラッセ 白子のロワイヤル 大葉風味のフォームと海苔のチュイル」だった。優秀賞は、HOTEL THE KNOT TOKYO Shinjuku MORETHAN TAPAS LOUNGEの料理教室Class A’s Kitchenの中尾明美さん。料理は「うどパン粉揚げ徳島の柚子こしょうソース うごの青森りんご酢マリネ添え」、と、株式会社プリオレストラン&ウェディングス 日比谷パレスの倉林竜也シェフの「栃木県海老原ファームの蕪と北海道産ホタテのショーフロワ」。
さて筆者も、この授賞式のあとで開催されたレセプションで、この3種の料理を実際にたべさせてもらって、なるほど、ブラン・ド・ブランに合わせるのであれば、リッチで味わいのしっかりとした大熊シェフの料理かな、などとおもったのだけれど、ここでは大沢晴美さんによる、総評を引用したいとおもう。
大沢さんによれば、この勝負は野菜の勝負だった。にんじん、うど、かぶ。いずれもにがみやえぐみがある。シャンパーニュと合わせるとなると難しいものをあえて選んだ。コレのブラン・ド・ブランのブラン・ド・ブランらしい爽やかさがありつつ、まろやかな味にどう合わせるか。かぶは少し、火を入れることで香りを出す。うど、特に、中尾さんの選んだ、青みと苦味のあるうどは、揚げることでそれを抑える。それでブラン・ド・ブランに合うようになる。これらに対して、大熊シェフは、にんじんを味噌でグラッセにすることで、にんじんの甘み、そして味噌の塩気を効かせた。グラッセにしたことで、あくもでる。これもまたシャンパーニュを引き立てる、というのだった。
大熊 剛史シェフさすがです。
そして日本コレ賞は、早くも第三回のエントリーを受け付けている。エントリーはGolf Chef ClubのHP(http://goldchefclub.com)のこちらから。
2019年の12月頃にレシピ審査が予定されていて、2020年2月頃、今回同様、調理と試食審査によって賞が決定する。テーマは「世界に広めたい日本のこだわりの食材を使用し、シャンパーニュ コレ ブラン・ド・ブランと相性のよい料理」であること。
最優秀賞に輝くと、シャンパーニュのアイ村への招待が待っている!