04 Quinta da Lixa(キンタ・ダ・リシャ)
人気リゾート・ホテル「モンヴェルデ」にも注目
キンタ・ダ・リシャが所有するブドウ畑のひとつ、サングエド農園。
サブリージョン・ソウサで古くからブドウ栽培に携わっていたメイレレ家は、1986年に自社ワイン造りを始めた。当初は全量をバルクで販売していたが、少しずつ生産を拡大し、ボトルでの販売を始め、1994年、設備の整った現在のワイナリーを建てた。
ガラス越しにボトリングラインを見ると、ワインをボトルに入れる注入機の直前にタンクがセットされている。ワインの入ったタンクは別にある。
ではこれは?
炭酸ガスが入っているという。
早飲みワインのヴィーニョ・ヴェルデには発酵に由来するガスが残っていて、それゆえ微発泡のワインというイメージができた。
だが、人気が高まり生産量が増え、その半分近くが輸出されるとなると、輸送後の風味の安定性が重要視される。発酵由来のガスでは不安定だ。
そこで、ボトリング直前に炭酸ガスを注入し、常に一定量のガスを含む安定した微発表のヴィーニョ・ヴェルデを造りだした。
小規模生産者以外は、大半がこの手法を採用しているという。その一方で、近年の自然ワイン志向から、炭酸ガスを含まないヴィーニョ・ヴェルデも増えてきているともいう。
リシャはワイナリーの周辺に次々に畑を購入し、合計100ヘクタールを超えた。そのひとつ、キンタ・デ・サングヘドを購入した際、メイレレ家は景観のすばらしさから友人たちが集える別荘をキンタの中に建てようと考えた。それがスパ設備を整えたワイン・エクスペリエンス・ホテル、モンヴェルデとなった。
ポルト市内から1時間ほど、人気のリゾート・ホテルとなっている。モンヴェルデでは扱うワインはシャンパーニュ以外はポルトガル産で、ヴィーニョ・ヴェルデのメインはもちろんリシャのライン。
ポウコ・コムンの名でつくるリシャのアルバリーニョはトロピカル・フルーツとシトラスの風味のが活き活きとヴォリューム感がある。キンタ・ダ・リシャ・ヴィーニョ・ヴェルデは、口中でシュワッと始める泡が味わいの爽やかさを増している。国外での人気も高いというのがわかる。