マルターディンゲン村にピノ・ノワールあり
ドイツはピノ・ノワールの産地だということ、ご存知だろうか。
現在、ドイツのピノ・ノワールの生産量は世界第3位になるのだそうで、そのドイツでも、南西部のバーデン=ヴュルテンベルク州は、ここだけでニュージランド全体よりもピノ・ノワールの生産量がおおいのだという。
バーデン=ヴュルテンベルク州は、歴史的な区分に従って西がバーデン地域で中・東部がヴュルテンベルク地域にわかれ、このうち、ピノ・ノワールの生産で知られるのは、西側の、つまりフランスとの国境であるところのライン川に近いバーデン地域。なぜ、ブルゴーニュのイメージがつよいピノ・ノワールの生産がそれほど盛んなのかといえば、中世にブルゴーニュの修道士たちが、この地を訪れ、土壌や気候風土がブルゴーニュに似ている、として栽培をはじめたことに、その起源があるとされている。
とりわけ、マルターディンゲン村のワインは、高い評価をうけていたという記録がのこっているそうなのだけれど、そのピノ・ノワールのワイン造りは、ながらく途絶えたままになっていた。これを、現代に復活させた人物がベルンハルト・フーバー。1990年に、このマルターディンゲン村に醸造所を設立し、それから20年ほどで、ドイツ ピノ・ノワールの名手として、世界的に高い評価を獲得するようになった。
ところが、ベルンハルト・フーバーは2014年に55歳で永眠してしまう。いまや名門となったフーバー醸造所では、ユリアン・フーバーが亡父の遺志をつぎ、ワイン造りの火は消えないどころか、いよいよ燃え盛っている。
ユリアン・フーバー氏
そんな、非常にホットなフーバー醸造所のベルンハルト時代である2011年ヴィンテージの4つのグランクリュが、セットになって販売されることとなった。
このセットは限定50セットのみ。4本はそれぞれ、条件の違う畑のピノ・ノワールで生み出されたワインだ。瓶詰して約5年。いよいよその実力の片鱗が見え始める頃だという。ドラマチックな物語を背景にもつ4本には、ソムリエ大越基裕氏が自ら取材・監修した「Huberオリジナル・ムービー」、そして24ページのガイドブックが付属する。以下は動画のダイジェスト版。詳細は、http://story.artofwine.jp/?p=1168にて!