グラスワイン500円から
店内にはシャトー・ムートン・ロスチャイルドのアート・ギャラリーが設けられていて、ピカソ、アンディ・ウォーホル、キース・ヘリング、それにリ・ウーファンの4人のアーティストのリトグラフが展示されている。ピカソは1973年、ウォーホルは75年、ヘリングは88年、ウーファンは2013年の同社のラベルのためにそれぞれ描かれた作品だ。こうした展示が行われるのはフランス国外では初めてで、しかも作品は入れ替わる予定だという。同社とエノテカとの15年以上のつきあいから生まれた厚い信頼の賜物だろう。
堅い握手を交わすの櫻井社長とムートン・ロスチャイルド社のオリエント・アジア・パシフィック代表。アーティストのリトグラフを背景に。
「エノテカ GINZA SIX」店ではシニア・ソムリエを10人配置し、顧客の要望を丁寧に聞くコンシェルジュ的サービスにつとめる。スーパーで売られている1000円のワインよりちょっと上の、2000〜5000円クラスを食卓に提供したい、と意気込む。また、多彩なイベントやセミナーを随時開催して、情報発信の拠点にする。「世界のお客さまから愛されるワインショップを目指していきたい」と櫻井社長が締めくくったのは、もちろん日本への外国人旅行者も念頭に置いてのことである。「GSIX」自体、ツーリストサービスセンターを設けるなど、「国際的な観光拠点」となることをテーマに掲げているからだ。
もうひとつ、この旗艦店にはエントランス部分にカフェ&バー・コーナーが設けられている。ここでは500円からというお値打ち価格のグラスワインを常時10種類用意していて、昼間から気軽にアペリティフが楽しめる。ボトル3000〜5000円クラスを紹介するというから大盤振る舞いである。それもこれも、ワインの楽しさ、面白さを広め、新しいワイン・ラヴァーを増やすことを使命としているからだ。
夏にはクラッシュアイスを入れて飲む新しい形を提案したり、ニッカウィスキーとのコラボで竹鶴等を1杯500円から出したりする。おつまみとして、生ハム、ドライソーセージ、チーズ、フランス産高級バターの「ボルディエ」、キャビアなども用意している。お昼時にはワイン付きで1000円程度のランチを出すというから、サラメシにもサイコーであるに違いない。
というわけで、4月20日(木)のオープンを迎えた暁には、ぜひお出かけされることをオススメします。これは、日本のワイン界における文化的事件です。