世界のGINZAへ!
「GINZA SIX」または「GSIX(ジーシックス)」は中央区銀座6丁目にあった「松坂屋銀座店」の跡地を含む街区ふたつ分の再開発によって誕生した大型複合施設である。総面積は約14,000平方メートル。東京ドームは47,000平方メートルなので、うーむ、それよりはちょっと狭い。さすが銀座である。昨年オープンして大きな話題となった銀座5丁目の東急プラザ銀座の敷地面積が3,800平方メートルということを考えると、「GSIX」のスケールがわかっていただけるのではないでしょうか。
松坂屋の持ち株会社であるJ.フロントリテイリングと森ビル、住友商事、それにLVMHグループをスポンサーとする不動産投資会社の4社による共同出資によって生まれた「GINZA SIX」のコンセプトは、銀座を「世界のGINZA」へとさらに進化させること。日本の最先端を行くのが銀座、だとするなら、GINZAは世界の最先端を行かねばならない。実際、「GSIX」には、もちろん存在自体が新しいということもあるけれど、そこに行くと「新しい時代感覚」というものが感じられる。
日本のモダニズム建築の巨匠・谷口吉生が手がけた外観は、ステンレスの「ひさし」の上部と、路面店となるディオール、サンローラン、ヴァレンティノなど6つのラグジュアリー・ブランドの「のれん」となる下部の組み合わせがモダンとポストモダンが溶け合ったみたいでクールだし、日本在住のフランス人インテリア・デザイナーのグナエエル・ニコラが手がけた内装は、ちょっと枯れた安土桃山時代、あるいは金閣寺をなんとなく思わせて(ま、金色だからですけど。単なる個人の感想です)、これまたクールでいて、どこか優しさとか温かみとかがある。
オープン時に中央吹き抜け空間を飾る、天井から吊り下げられた草間彌生の新作アートのカボチャのバルーンが、大阪の通天閣の「つぼらや」のフクを思わせて楽しいということもある。
このような最先端の文化発信の場であろうとする「GSIX」に、241のブランドが出店。そのうちの121店舗がフラッグシップショップとなる。旗艦店というのは、旗艦店だけに当然、もっとも新しい商品を、もっとも豊富に投入し、もっとも上質なサービスを提供する特別な位置付けの店舗である。
そこで、われらワイン・ラヴァーの「ワインショップ・エノテカ」、日本全国には54店舗を構える日本最大のワイン専門店はどんな旗艦店をつくったのか?