世界的に知られる獺祭(だっさい)のさらなる挑戦
2020年1月23日、帝国ホテル東京にて、『獺祭』(だっさい)で知られる旭酒造(山口県)主催で、二つのコンテストの表彰式が同日開催されました。
今年、誕生から30年を迎える『獺祭』は、今や、世界に羽ばたく「DASSAI」として名をとどろかせていますが、留まることなく、さらなる挑戦を続けています。今回、筆者も表彰式に出席し、その姿勢を目の当たりにしてきました。
第一部 「DASSAI DESIGN AWARD 2019」表彰式
二回目を迎える、既成概念にとらわれない斬新な発想を持ち、優れた感性のクリエイターのデザインを募集する本コンテスト。今回は『獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分』の化粧箱とラベルデザインを募集し、国内外から748点の応募がありました。
その中で見事グランプリに選ばれたのは、正岡子規が描かれたラベル。日本文学に革命を起こした正岡子規と、日本酒界に革命を起こしている『獺祭』との、コラボレーションとなりました。
※グランプリ記念ボトルは、限定商品として、2020年2月より販売されます。
第二部 「最高を超える山田錦プロジェクト2019」表彰式
「最高の獺祭」のためには、その原料である酒米・山田錦もまた高品質でなくてはならず、また、農家の方々にも、もっとチャレンジしてほしいという思いから、本プロジェクトが始動しました。1位、2位、3位が選ばれました。それぞれ一俵(60kg)あたり50万円、20万円、 10万円で旭酒造が購入するという、類まれなプロジェクト。
全国から多数の応募があった山田錦を、機械による分析、DNA鑑定、審査員による目視、官能評価など、20項目に渡り審査し、45点が一次審査を通過。二次審査で、9点が残り、1位、2位、3位が順位づけられました。
50俵単位での出品のため、1位の農家はなんと、2,500万円超という破格で買い取られることになります。現状の山田錦価格は、1俵2万2000円~2万7000円程度であることからも、旭酒造の本気度が伝わります。
「山田錦」とは
ここで、日本酒初心者の方に向け少し補足すると、山田錦とは、酒造りに適していると認められた米=酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)の中でも、群を抜いた生産量を誇り、「酒米の王様」の異名を持っています。普段私たちが食べている食用米よりも大粒で、収穫までに時間と手間がかかりますが、その分、高値で取引されます。
『獺祭』に使用されている酒米は、この、山田錦のみです。
<審査結果>
グランプリ 栃木県 山田錦栽培研究所 坂内義信様
準グランプリ 兵庫県 藤田山田錦部会 藤原健治様
優秀賞 栃木県 山田錦栽培研究所 白井勝美様
山田錦、というと、特A地区、の所在地でもある兵庫県が主な生産地ですが、1~3位の中に、栃木県産山田錦が2つも入ったことは、特筆すべき点と感じました。
お三方とも、日々の研究とたゆまぬ努力が、受賞の喜びの言葉の端々からにじみ出ていました。
第三部 懇親会
ずらりと並んだお料理は、この日のために考案された、帝国ホテルシェフによるスペシャルメニュー。
料理の中には、獺祭をジュレにしたものや、獺祭風味のソースなどを添えたものもあり、ここでしか食べられない特別感が漂っていました。
カウンターでは、『獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分』と、『獺祭 純米大吟醸 スパークリング45』が、ワイングラスで供されました。
また、フルーツやフランス菓子と獺祭は、華やかな雰囲気も相まって最高のペアリングでした。
2018年、パリに、「ダッサイ・ジョエル・ロブション」を開き、大変な話題となりましたが、今年12月には、満を持してニューヨークに新しい蔵を完成させます。
桜井会長からお話を伺ったところ、「改革は、まだまだ足りない!」と、にこやかに、且つ力強くおっしゃっていました。
2020、オリンピックイヤーの本年。「酒」が、「SAKE」として世界共通語になるのも、もう間もなくです。
山口県岩国市は、弘兼氏の故郷であり、劇中の島耕作の故郷でもあります。
https://www.asahishuzo.ne.jp/info/information/dassai-shimakousaku.html