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ストラスブールクリスマスマーケットの出展ワイナリー情報①

日本に入っていないコスパの良いアルザスのワイナリー

フランス・アルザス在住Coquelicotsです。
アルザスのワインの魅力や、アルザスワインについて、まだ日本に入っていないアルザスのワイナリーのお話など、なるべく多くの方にアルザスワインを知ってもらいたく、ワインワットオンラインで、アルザスワインについてのいろいろな情報をお送りさせていただいている。

アルザスはこの時期クリスマスマーケットが開催され、日本からも多くの方が来られる。

そんなストラスブールのクリスマスマーケットには、6店舗ほどアルザスワイナリーが出店している。このうちの2店舗は、常設でずっと出店しているのだが、他4店舗は「Le Vignole de la Couronne D’Or」という、アルザスのバーラン県にあるアルザスワイナリーの組合が、ローテーションでクリスマスマーケットに出店している。数が16ワイナリーあり、全員いっぺんに出店できないため、平日4日と週末3日でローテーションして出店している。

数年前までは毎日ローテーションして出店していたので、荷物の移動などかなり大変だったそうだ。

こちらが今年のタイムテーブル

タイムテーブル

(https://www.facebook.com/vigneronscouronnedor/)

アルザスワインと言えば、コルマールがあるオ・ラン県の村のワイナリーの方が有名だが、最近ではストラスブールのあるバ・ラン県の村のワイナリーも美味しい生産者も多く、日本に輸入されている所も増えてきた。

ストラスブールまで来られてもも、『ワイナリーは小さな村にあって、車がないと行けないのだろう』、『ワイナリーにはアポイントを取らないといけないんじゃないか』などと思って、ワイナリー訪問を諦めてしまう旅行者も多いが、実はそんなことはない。ストラスブールからもバスや電車で行ける村も多くある。ただし、ある程度の情報は必要だ。

しかし、クリスマスマーケット時期なら、ストラスブールに来れば、ワイナリーさんがこうして出店している。ワイナリーまで行かなくても、種類は限られてしまうが、ワイナリー蔵出しワインをいくつかテイステイングでき、日本に入っていない美味しいアルザスワインを買うこともできる。

今回はそのLe Vignole de la Couronne D’Orで出店しているいくつかのワイナリーをご紹介していきたい。訪れる日程によって、会えるワイナリーが異なるが、それはその時の運だ。

Le Vignole de la Couronne D’Orのうち3ワイナリーはロアン宮殿の後ろ側で出店している。この場所だけで3ワイナリーのワインが試せるので、お勧めだ。

ロアン宮殿の後ろ側で出店 

この広場には、一番美味しいと言われる白ワインのヴァンショー(ホットワイン)が売られている。というのは、ここのヴァンショーはそのアルザスワイン組合がワインを提供し、ブレンドした白ワイン。美味しい本物のアルザスワインのヴァンショーが飲めるため、地元でも『一番美味しい白ワインのヴァンショー』と言われている。

白ワインのヴァンショー売場 

そして、1ワイナリーはこちらのサントマ教会前のサントマ広場で出店。

サントマ広場のワイン売場

 

サントマ教会

 

まだ全てのワイナリーさんのワインをテイステイングして、彼らとお話をしていないので、今回はその第一弾として、テイステイングさせてもらったいくつかワイナリーをご紹介していきたいと思う。

Domaine Vincent HEYDANN

Heydemannさんは日本には入っておらず、聞くところによると、ワイナリーまで行かないと通常は買えないワインなので、もしストラスブールのクリスマスマーケットで見つけたらぜひ試して欲しい。

Domaine_Vincent_HEYDANN

 

Domaine_Vincent_HEYDANN

 

驚きはそのコスパの良さ。日本で有名ワイナリーの味まではいかないが、この美味しさで、この値段は絶対お得だと思う。スーパーで買うワインよりはずっと美味しいし、ワイナリーの個性も見える。

本当なら、こう言うコスパの良いワインは、誰にも教えたくないのだが、やっぱりこういうワイナリーこそ、多くの方に知っていた抱きたいと思う。クリスマスマーケットで出会えたら本当にラッキーだ。ここはそんな【買い】なワイナリーなのだ。

「こんな安いの⁈ そしてこんな美味しいの!」

と言うと、

「値段を上げる理由もないし、上げる気がない」との返事。

彼らには彼らの常連客がいてくれて、現在のワイン生産と販売が上手くいっていれば、それ以上は求めないということだろう。

実はこれが一つのアルザスワインの問題点でもある。消費者にとっては、安いワイン=それなりの質のワインと思われることも多いからだ。その料金設定が、アルザスワインのブランディングを難しくしているとも言える。実際は、高ければ美味しいワインだというわけではない。私はやっぱりこう言うワイナリーの隠れファンでいたい。

個人ワイナリーの多いアルザスは、それをひとまとめにしてブランディングしていくこと自体が難しい印象がある。確かに、アルザスワイン委員会もあるが、それが販売にまで繋がるにしても、一部のワイナリーだけになってしまう。800以上もあるワイナリーをまとめることは難しいだろう。個人ワイナリーもあれば、ネゴシオン、コオペラテイブとワイナリーもさまざまな形態があり、それぞれに生産や販売に対する哲学や想いの違いもあるので、それも問題点の一つかもしれない。

美味しいのに、ワイナリーでの販売で商売として成り立ってしまうし、それで充分だから、それ以上の事はしない。ラベルもシンプルだし、輸出にも「面倒だから」興味がないと言う。マーケティングは努力が必要だし、それだけ労力や金銭的負担もかかる。商売を大きくしたり、有名になったりするにも、資金がかかる。よって現状うまくいっていれば、そう言うことに興味のないワイナリーも多く存在する。

アルザスワイン全体の価値を上げるには、基本的な値段を上げていかないといけないのかもしれないが、そう言う事に全く興味のないワイナリーさんが多いのも事実だということだ。

私は、やっぱりそう言う隠れた美味しいワイナリーを探す旅の方が、有名ワイナリーだけを巡るよりも好きだし、そこで見える、そのワイナリーの思いや哲学を聞いて、珍しいワインを探して、いろんな方に紹介していければと思っている。

こちらのワインたちは、「甘口ワインがあまり好きじゃないの」と言うワイナリーのお母さんのせいか、ピノグリもゲヴェルツトラミネールもどちらかと言うと辛口仕上げだ。

こちらはクラシックなタイプのアルザスワイン。

クラシックなタイプのアルザスワイン 

こちらはキュベが変わる、ちょっとだけ甘口に仕上がっているワイン。

ちょっとだけ甘口に仕上がっているワイン 

辛口が好きだと言う方には、ここのワインはオススメ。なんと言ってもクラシックなワインが10€以下で買えるのが何よりも魅力。

今はまだビオの認定許可待ちだが、こちらはビオワイン生産者。最近ビオ申請しているワイナリーは多いので、認定マークが無くても、一応聞いてみると、ビオだと答える生産者はアルザスには本当に多い。

「なんでビオに?」
と聞くと、そこは時代の流れだと言っていた。今はみんなビオに切り替えはじめているから、それが当然だとも言っていた。確かに、このクリスマスマーケットに出店している組合のワイナリーはビオが多いし、自然派ワイン生産者も数軒ある。

クリスマスマーケット値段と表記されてはいるが、ワイナリーの中には多少料金を蔵出し料金より上げている所もあるのだが、ここはワイナリーの蔵出し値段と一緒だそうだ。

「だってせっかくここで買ってもらうのに、ワイナリーでの値段よりも上げちゃうのは申し訳ない」
と、なんとも優しいワイナリーだ。私は個人的にお勧めなのはコスパの良さに驚いたピノグリだ。

そして、こちらのゲヴェルツラミネールのヴァンダンジュタルデイブ(遅積み)ワイン。

ゲヴェルツラミネールのヴァンダンジュタルデイブ 

ここのヴァンダンジィタルデイヴもこの値段でこの美味しいさはなかなか無いと思う。

また、赤ワイン好きにはこちらのピノ・ノワールも、3種あって、赤好きにはオススメだ。
ロゼと

ロゼ 

定番ピノ・ノワール。

ピノ・ノワール 

そして樽熟成のピノ・ノワール。

樽熟成のピノ・ノワール 

ロゼは、ぶどうの皮のみの色で、ほんのり色が付いているだけの、ここまでペールローズのロゼも珍しい。その他ピノ・ノワールのステンレス樽熟成と、木樽熟成の2種。この2種も比べて飲んでみるのもお勧めだ。

グランクリュは無いが、それでも家族経営、こうしてこじんまり良いワインを生産しているワイナリーは多く、クリスマスマーケット時期にストラスブールに来られるなら、ぜひぜひ試して貰いたいし、買っていっていただきたい。

Domaine Maxime BRAND

こちらも同じく、コスパの良さに驚きのワイナリーで、日本には入っていない。通常はワイナリーまで行かないと買えないワインなので、もしストラスブールに来られる機会があればぜひお試しして欲しいワイン。

Domaine_Maxime_BRAND

 

Domaine_Maxime_BRAND

 

やっぱりこう言うワイナリーでのテイステイングの楽しみは、ここでしか見つけられないようなワインを探すことだ。

通常、スッキリ飲みやすいワインが多い。何にせよ、ヴィンテージで言えば、2018年は質的にも量的も当たり年だったと言われている。当たり年だと言われた2015年に似て、とにかく暑かった。甘口ワインは美味しく仕上がっていると思う。ここのワイナリーは2018年ものが多く販売されていたので、ヴィンテージで言うと結構お勧めだ。

オススメの2018年ヴィンテージ

 

オススメの2018年ヴィンテージ

 

特にここでのオススメはこちら。
エルサELSAとエマEMMA

エルサELSAとエマEMMA

 

エルサELSA

 

この2本はお孫さんが生まれた時に造ったワイン。どちらも甘口ゲヴェルツトラミネールで、2015年ものと2016年もの。

お二人のお孫さんの誕生とともに生産されたワインなんて、家族の気持ちが入っている、暖かいワインだ。どちらも甘口で、女性を思わせるのだが、2人の性格に合わせたなのか、片方はちょっと甘く、女性的で、女の子らしいワイン、もう片方は生まれつき体格も大きく、おてんば(?)な女の子でちょっと強さが見えるようなワインだった。

甘口ワインが好きな方にはこの2本はおススメ。ぜひ2本買って飲み比べて欲しい。

そしてなんと、とても面白いのがこちらサフラン入りワイン。これはかなり珍しいので、ぜひ試して欲しい1本。

サフラン入りワイン 

お味も珍しい、他にない、というのが合っているワイン。珍しいワインがお好きな方はぜひこちら。

サフラン入りワイン 

今回は2ワイナリーをご紹介したが、平日4日、週末3日のローテーションで出店ワイナリーが変わる。この2ワイナリー以外にも日本に入っていない、貴重なアルザスワインも多くあるので、クリスマスマーケット時期にストラスブールにいらしたときにはぜひ。

ワイナリーに行かないと、こうしたアルザスワインのテイスティングはできないと思われている方も多いので、ぜひこの機会に、アルザスワインのテイスティングも楽しんでいただき、そしてぜひ1本でもお土産に買って行かれたらと思う。

ワイナリーさんは、寒い中ずっと立ってワインテイスティングをオススメしている。ワインのテイステイングだけしていなくなっていく方もいるが、このお値段なら、4、5種類飲ませてもらって1、2本買ってもお得なくらいだと思う。お荷物になるかもしれないが、テイステイングを何種類がされたら、記念に1,2本でも買っていただければ嬉しい。

この記事を書いた人

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Coquelicot
元フランスのワイン展示会運営会社勤務。フランス、アルザス地方在住10年以上、アルザスワインを極めるべく、アルザスで訪れたアルザスワイナリー100軒以上、テイスティングは200軒以上。
インスタグラム coquelicots00

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