![ルネッサンスデアペラシオン](/wp-content/uploads/2019/11/57377-1.jpg)
大盛況のルネッサンス デ アペラシオン
人数限定のこちらのイベント、かなり大反響のようで、私が問い合わせた時にも満員御礼の様子だった。
こちらは、通常は一般の方は入れないB TO Bのイベントだった。私が行ったのは平日の昼間だったが、多くの人で賑わっていた。業界の方だと、逆に平日昼過ぎのランチタイムの後くらいが良い時間なのかもしれない。
以前日本で仕事をしていた時には、いくつかのワイン試飲会に参加させて頂いていたが、個人的にこんなに多くのアルザスワイン出展者がいる試飲会は初めてだったので、大変勉強になった。
せっかくの機会なのに、「アルザスワインしか飲まないの?」と言われたりもするのだが、アルザスワインだけを極めるにも、あまりの多くのワインがあるため、とりあえず私はアルザスワインだけをテイステイングしている。 今回はインポーターさんや、アルザスから来日されたワイナリーさんともお話できたので、日本のアルザスワイン事情など織り交ぜてお送りしていきたいと思う。
このイベントは、出展にもかなり制限があるようで、アルザスでも特に有名ワイナリーさんだけが出展していた。
アルザスからワイナリーさんがいらしている所と、そうでないワイナリーさんがあったが、インポーターさんともお話ができる良い機会だった。
まずは出展ワイナリーだが
Domaine Barmes Buecher
Domaine Etienne Loew
Domaine Kreydenweiss
Domaine Marc Tempé
Domaine Marcel Deiss
Domaine Ostertag
Domaine Valentin Zusslin
の7ワイナリー。
Domaine Marcel DeissとDomaine Marc Tempé
まずは、私の中では個人ワイナリーとしてはこちらが二大有名アルザスワイナリーというイメージの、Domaine Marcel DeissとDomaine Marc Tempé。
Domaine Marcel Deiss さんは、あまり日本に来られることがないそうで、ワイナリーからはどなたもいらしていなかった。ビオデイナミワイン生産者で、以前日本の禅の心などもお好きだとお話しされていたジャンーミッシェルさんは、日本にもいらっしゃるのかと思ったりしたのだが、あまり日本にはいらしていないそうだ。
Marcel Daissさんは、日本では二社のインポーターさんが入っていることもあり、日本でも認知度が高いのだろう。
ビオデイナミの第一人者とも言われ、日本でも人気のある、Domaine Marc Tempéさんはイベントにいらしていたので、いろいろお話させていただいた。
逆にテンペさんはアルザスではなかなかお会いできないが、日本にはよくいらしているイメージだ。毎年来日されているのではないだろうか。
元々INAOでお仕事されていて、一代でここまで築いた有名ワイナリー。息子さんは医学部に通って医師を目指しており、ワイナリーは継がないようで、後継問題もあるそうだ。今後継者を探しているとの事だが、冗談で 「じゃあ、私が!」と言うと、マジマジと見られてお前には無理だろう、と言っていた。見た目小さくて、弱そうな私にはさすがに務まる仕事ではない。 やはり、ぶどう生産も、ワイン生産も、体力と力勝負なのだ。
また、驚く事に、こうして海外輸出をメインにしているワイナリーさんは、大抵英語ができる方が多いが、テンペさんは英語はできないそうで、 「フランス語しかできないんだ、(海外展開には)欠点だよね」と言うが、それが障害にならないほど、美味しいワインを生産していると言うことなんだろう。
とは言え、ワインに話とは関係無いが、ある意味テンペさんはバイリンガルだ。これはアルザス特有のことなのだが、彼の母国語はアルザス語だ(ドイツ語の方言のようだとも言われている)。4歳になって、学校に行き始めて初めてフランス語を学習し始めたそうだ。 アルザスは地域的にもとても特徴のある地域なのが、それがこう言う話からも伺える。
そしてDomaine Ostertag
アルザスの全品種を置いてあり、辛口から甘口へと試飲していくのだが、こちらのワイナリーでは シルヴァネール ピノグリ の後に リースリング、 そしてゲヴェルツトラミネールと続き いて飲ませていただいた。ここのワイナリーでは、通常甘口で知られるゲヴェルツトラミネールも 辛口だと言う。 瓶からは分かりにくく、これこそ飲んでみないと分からないのだが、実はこちらのゲヴェルツトラミネールはオレンジワイン。マセラシオンをしていないゲヴェルツトラミネールだった。
オレンジワインは日本でも注目されているイメージなのだが、アルザスワインの規定のボトルに入っているため、色が見えず、 「ボトルからだと分かりにくいかも。注いでもらってはじめて、ああ! オレンジワインなんだと思った」 と言うと、笑って確かにと言っていた。
最近のオレンジワインは、色が分かるようにするため、アルザスでも透明ボトルのものも多い、けれどここのゲヴェルツトラミネールは、アルザスの通常ワインボトルでの提供だった。
Domaine KreydenweissとZusselin
Domaine Kreydenweissは【自然派ワイナリー】。私もヴァンナチュールと言われる自然派ワインに関しては、まだまだわからないことが多く勉強中だが、このワイナリーの若い生産者の方々と「いったい自然派ワインとはなんぞや」と自然派ワイン談義で、自分の無知さを実感させられた。 ビオ、ビオデイナミには規定があるので、分かりやすくなっているが、自然派ワインの規定はまだ無いので、「自然派ワイン」と言った時の定義がワイナリーによっても多少異なることがある。
亜硫酸を入れるか否か、違いはただそれだけなのか...。自然派と言うのはぶどう生産の事なのか、それともワイン生産の事なのか…。 自然派ワインの規定はまだまだワイナリーさんによっても異なっていると言う印象だ。 ビオデイナミ=自然派ワインとは一概に言えないとも思うのだが、まだまだ分からないことが多いので、このワイナリーさんはまたアルザスで改めて訪れたいと思う。
また、これも最近の若手生産者の傾向なのだが、セパージュ(品種)よりも、土壌を大切にする傾向があり、アルザスワインの規定であるはずの品種をラベルに書くと言う事を、重視していないワイナリーさんもあった。 最近はアート的なラベルも多く、さまざまな表記がそのアート的なラベルの邪魔になることもあるようだ。
アルザスワイン、まだまだ奥が深くて分からないことが多く、知れば知るほど、分からない事が増える気がする。 そしてDomaine Kreydenweissのお隣にはZusselinさん…。実はこちら2軒のワイナリーは、同じインポーターさんが扱っている。
※実はこの試飲会の際に、こちらのインポーターさんのワイン試飲会にもお伺いさせて頂いたので、この2ワイナリーに関してはまたそちらでもご紹介したい。
そしてDomaine Barmes Buecher
ワイナリーさんから若い女性が来日し、ずっとテーブルで対応していた。とてもチャーミングな女性で、アルザス人らしく、終日真面目にお仕事をされていた。
ご一緒していたインポーターの方もその勤勉さに驚かれていたが、これもドイツよりのアルザスの特徴で、フランス全土に比べると、皆とても勤勉なのだ。
すでに日本には10年ほど入っているのだが初来日のLoewさん。実は以前にも既にアルザスでお会いしており、今回もいろいろお話しさせていただいた。
今回はぶどう収穫も終わり、タイミング的にも日本に来るには1番良い時期だったと言う。 また、Loewさんは、ストラスブールのクリスマスマーケットで唯一常時出店をしているワイナリーさんなので、クリスマスマーケットの時期にストラスブールに来られる方は、ぜひお試し頂ければと思う。
インポーターさんに売れ筋などを聞くと、どのワインもやはり3000円台でお値段的にお安いものが売れるようだ。 また、やっぱりアルザスワインと言うとリースリングというイメージが先行するので、売れ筋はリースリング。そして甘口がお好きな方はゲヴェルツトラミネール…と言うのが皆さんのご意見だった。 そうなると5000円以上になるグランクリュはその後と言う感じだろうか。
アルザス ワインの出展も多かったこのワインイベント、いろいろ勉強になり、ほんの少しだが日本のアルザスワイン事情を理解することができた。