今回ぶどう収穫をさせていただいたのはDomaine ZINCK。実はここ、エグイスハイムはフランスの美しい村にも認定された、観光客も多い、とても可愛らしい村。
この村にも数軒の日本にも輸入されている有名ワイナリー他、32軒のワイナリーがあるという。
ZINCKさんは、日本にも輸入されているビオデイナミのワイナリー。
実はこちらのワイナリーさんには日本人の女性が勤めている。連絡をしたときに日本の方だったのでびっくりした。
カーヴ見学
ワイナリーの名前はお父様の代のPAUL ZINCKと書かれていることもあるが、今は息子さんのPhilippeさんの代になっている。今回はお父様のPaulさんにお願いして、カーヴを案内していただいた。
実は私は個人的に代を譲った後の上の世代の方にお話しを聞く方が好きだ。それは昔の話をリアルに聞けるからだ。
実際アルザスでワインに関するマーケティングなどにも関心を持ち始めたことや、アルザスワインの規定やGrand cruなどの規定が決まったのも。そんなはるか昔のことじゃない。だからこそ、昔のワイン作りや、それまでに実際に起こった出来事などを上の世代の方から聞くのは楽しいし、色々と勉強になる。
どこのワイナリーでもそんな感じではあるが、ここのワインはきちんと3カテゴリーに分かれており、
●クラシック
●リユーデイーに当たるもの
●グランクリュ
の3つに分かれて、それぞれワインのラベルも異なっている。アルザスではここ数年グランクリュ以外に、プルミエクリュに当たるワインの基準を作ろうという話があるが、規定が定められるのには数年かかるようだ。それゆえ各ワイナリーでも、土壌に特徴のある、リュ―デイーと呼ばれる土壌で取れたぶどうに対しては、別の名称や、その土壌の名称をボトルに記していることも多い。
こちらがクラシックなワイン。品種ごとに意味のある絵柄にしているそうだ。
こちらがリュ―デイ―に当たるワイン。土壌が重要なので、それを示す絵柄になっている。
そしてこちらがグランクリュ。
ここのワイナリーはマーケテイングにも力を入れているようで、ラベルの絵柄も他で見つからないものをと、ちゃんとマーケティングリサーチまでしたそうだ。
一つ一つの品種のラベルに意味があるんだよとPAULさんが説明してくれた。
また、ここのワイナリーはコルクでなくてスクリューだ。ブショネの心配も減るし、マーケティングには合っているとのこと。実験で、スクリューのボトルのワインを今年のものと7年後のものと比較をするため両方試飲していみたところ、味に変わりはなかったそうだ。
そして、もう一つの特徴として、この裏のラベルだ。
実は真ん中がはがせるようになっており、もしもどこかで自分の所のワインをレストランとか友達の家とかで飲んだ時、自分もそのワインが欲しいと思ったら、ラベルははがせないが、この裏のここの部分を切りはがし、こうして持って帰れる仕組みになっているんだと言う。
こちらのワインは日本を含め、8割が国外輸出なんだそう。そのため裏ラベルも国ごとに変わる。そう言ってPAULさんは日本用のラベルを見せてくれた。
そう言うことを考えると、今の時代やっぱりマーケティングは大事な要素なんだと思う。実際の味だけではない、大事なことが多くあって、日本に入っているワインと、自分の好きなワインやワイナリーを比べて、多少の違いがあることがあるが、これはこう言うマーケティングも関係するんだろうな、って思ったりもするのだ。
最近は日本のアルザスワインの市場も気になるので、日本に入っているアルザスワインを試飲したり、ワイナリーに訪れたりしている。日本に入っているアルザスワインは確かに美味しい。
けれどそれが必ずしも私の「1番」ではない事もある。日本に入るアルザスワインはそれなり理由があるのも分からなくはない。アルザスで美味しいワインでも全くマーケテイングなどをしておらず、世に出ていないようなワインとか、生産量が少ないワインなど、さまざまなワインがある。もちろん、有名ワインはアルザスでも、日本でも有名だ。
いろいろ勉強はしているが、日本のワイン事情をあまり知らないし、まだまだだと思う。これからも、一人でこうして少しずつ、アルザスワインについての理解や知識を深めていこうと思う。
こちらのワイナリーは日本人女性が窓口対応をしてくださるので、言葉が不安な方も訪れやすいワイナリーだと思う。
Domaine Zinck
住所: 18 Rue des 3 Châteaux, 68420 Eguisheim
電話: 03 89 41 19 11