飲食店における、お客様の入りというものには「波」があるようで、すごく入っている時期もあれば、すごく空いている時期もある。例えばその入っている時期にいつも来店すると、混んでるお店、という印象になり、例えばその空いてる時期にいつも行っていると、いわゆる予約しないでも入れるお店、という印象になる。つまり客側の印象の問題が大きいということだ。
僕はこれから紹介するお店を実はあまり紹介したくない。なぜなら、いわゆる後者の「予約しないでも入れるお店」であってほしいからだ。僕は割とこれまで、このお店を「予約しないでも入れるお店」として、大変大切に、そして重宝して通わせていただいていたのだが、僕が紹介しないでも、最近ではいつも通りかかると、コンスタントにお客さんが入っている印象があるので、僕の願望もそろそろ叶わなくなってきているらしい。
「予約しないでも入れるお店」から人気店へ?
渋谷から富ヶ谷に抜ける遊歩道沿い、最近だと奥渋谷と言われているエリアにある「サジヤ」がそのお店。確実にヴァンナチュールに合う料理がメニューにひしめきあう素敵なお店だ。
そんな料理を作るのはシェフの田中さん。目立ちすぎることもなく、控えめすぎることもなく、間違いなく料理の腕、味でアピールしてくるすごい作り手だ。ジャンルでいうと「フランスの田舎でおばあちゃんが作るような料理」と、いつか彼と話したときに、仰っていた上手な表現だ。奇をてらった料理というよりも、ワインと一緒に食事して、しみじみ美味しさを感じられる料理に溢れている。
私のオススメは、、、
それはローストポークだ。
私はこの料理が好きすぎて、先日は一人で来店して、2〜3人前のポーションサイズのこちらを完食したほどだ。それくらいお気に入りなのである。
ポークそのものの美味しさを充分に感じられるこの料理。豚は季節に応じて、あるいは豚の肉質に応じて、異なる生産地から仕入れているそうで、先日食べたときは「平田牧場」のお肉だった。とにかく肉質が柔らかく、そして上品、塩ベースの落ち着いた味付けと、季節に応じて異なる付け合わせで軽く食べられる一皿だ。
こういった料理は本当にヴァンナチュールがよく合う。サービスを担当されているひさかさんが、常時数種類の中から、その時の料理の感じに応じておすすめしてくれるので、その中から選べばいい。個人的にはやはりさっぱりとした白が最適だと思う。
(すみません、食事に夢中過ぎて、合わせたワインの写真を撮るのを忘れてしまいました。。。)