
お取り寄せ3本勝負その3
「チーズみそ漬」は、(熟成×熟成)×熟成で!
3本目は、群馬県の漬物屋さんからお取り寄せしました。
関東でしょうゆ・みそというと、野田と銚子を抱える千葉県のイメージがあるけれど、
上州には昔ながらに素材にこだわって醸造している中小メーカーが意外に多い。
前橋市に本社のある創業120年のたむらやもそのひとつで、そのたむらやがみそ漬けの新しい食材として見つけ出したのが、
同じ発酵食品であるチーズだったのだという。
こちら、北海道のチーズ工房が丹精こめてつくったナチュラルチーズを、たむらや謹製のみそ床に漬け込んだ「熟香」でございます。
- 栗原
- (表面のみそをなめて)ん? この味……。あ、やっぱり、たむらやさんだ。ここのみそ漬は大好物なんです。生姜のみそ漬を細い千切りにしてほうじ茶でお茶漬にすると、最高においしい。
- ヤマダ
- えっ、そうなんですか。これに合わせるワインはシェリーにしました。
- 栗原
- そうくるか!
- ヤマダ
- エル・マエストロ・シエラのオロロソです。
ドライなのに15年寝かせてあるから、ほどよく甘みがあって、ちょいスモーキー。
みそで熟成されたチーズとのマリアージュ、つまりチーズみそ漬け(熟成×熟成)×シェリー(熟成)によるじゅくじゅく熟女味を狙っています。 - 栗原
- うまい。たむらやのみそ漬液はとろりとして追い香がいい。なのに、このシェリーと合わせると、チーズそのものはみそっぽくない。よいみその風味がチーズを大きく包み込んでいる。合わせるとうまみが広がって、消えて、また蘇る。これは絶対に海苔と相性がいいよ!
ということになりまして、急遽、海苔を用意。
- ヤマダ
- おお! ミネラル感がプラスされて、シェリーに隠れていたミネラルが浮き上がってきた。
数値で表現するなら、チーズとシェリーの組み合わせだと1+1で2~2.5ぐらいの広がりなんだけど、
海苔が入ると、1+1+1の3よりさらに広がって、4以上になる感じ。このセットで味わうのが面白いですね。 - 栗原
- 当たったね。みそ好きの自分としては、こんな組み合わせはうれしい。
それと、シェリーは竹とかフキみたいな山のものの香りが、ほんのりする。
山菜の天ぷらなどにも合わせてみたい。
一般に、同じ方向性で、フレーバー、熟成度、産地、土地柄などを合わせていくと、楽しいマリアージュができあがる。
食べたことのない日本各地の名産品も、この法則を守ってワインを用意すれば、きっと新しい発見がある(かも……)。
これもまた、家飲みワインの愉しみなのだ。

- オーデックス・ジャパン
- エル・マエストロ・シエラ オロロソ
- 生産国/地域:スペイン/ヘレス
希望小売価格:2,800円