食におけるヘンタイが理解できる本
バーを表現するときに、「ここはエロい」とか「ヘンタイ」だとか、誤解を受けそうなことばで褒め称えることがある。あ、断っておくが、決してハプニング系や性風俗系のお店ではない。
試しに「恵比寿 変態 バー」をキーワードにググってみてください。老舗の某オーセンティックバーが登場します。
この場合の「ヘンタイ」はタイヘンな、つまり尋常ならざる情熱でもって、その道を極めようとする態度をいう。
食におけるヘンタイ。それがなんであるか理解できる本がこちらだ。著者は「WINE-WHAT!?」でもおなじみのマッキー牧元さん。本のタイトルは『超一流のサッポロ一番の作り方』である。
マッキーさんは小学校2年生の時に、お湯をかける前のチキンラーメンをかじって食べる誘惑に負け、実践。その美味しさに打ちのめされたという。それ以来、小学校2年生にして、チキンラーメンのおいしい食べ方の研究に取り組み始める。
チキンラーメンはいうまでもなく、単にお湯をかけるかけだけの、実にシンプルな即席めんの草分けだ。そのシンプルなチキンラーメンは「お湯をかけなくても美味しい」という発見が、「工夫次第でいかようにも食の可能性は広がる」というマッキーさんの信念へとつながっていく。一筋縄ではいかない食のヘンタイ、マッキー牧元はチキンラーメンによって覚醒したのだ。
ただし、本書は書名が示すごとく、「サッポロ一番」を使った超一流のレシピ集である。それも、使うのは「サッポロ一番塩らーめん」のみ。「サッポロ一番みそラーメン」も「とんこつ」も「ごま味」も「しょうゆ味」も「カレーラーメン」もあるのに……。
その理由については本書をお読みいただくとして、それを「タンメン風」、「カルボナーラ風」、「メキシコ風」、はたまた「ソウル風」、あるいは「中野駅前平凡風」へと、なんのことやら不明ながら想像がつきそうな、しかしうまそうなラーメンへと変身させるヘンタイぶり! あ、褒め言葉です。
さらに話題は「サッポロ一番」から、「エロい」TKGへと移ったりもする。TKGこと玉子かけごはんの黄身と白身のイケない誘惑。バリエーションに富んだTKGの「甘く危険な香り」は、マッキーさん自身が「エロい」と表現してもいる。彼女にこんな食べ方があるんだよ、とレッスンしたらもう、「なんて素敵なヒト」となること確実である!?
高級フレンチで口説くだけがすべてではない。さぁ、本書を読んで、「ヘンタイ」で「エロい」食生活、食人生を実践、体験しよう!
本書を3名さまにプレゼント!
マッキー牧元著『超一流のサッポロ一番の作り方』(ぴあ刊/1200円)を3名さまにプレゼントします。ご希望の方は下記申し込みフォームより応募してください。応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。
応募の締め切りは2019年1月15日(火曜日)です。